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KNT、3Qの営業収益7%増、赤字幅も改善

  • 2012年11月8日

 近畿日本ツーリスト(KNT)の2012年12月期第3四半期累計期間(2012年1月1日~9月30日)の連結業績で、営業収益(※純額)は前年比6.8%増の425億8400万円となった。営業損失は前年より2億700万円改善して8億6300万円、経常損失も1億1900万円改善の8億9000万円、四半期純損失も9000万円改善の13億8300万円となった。

 KNTでは、欧州債務問題や尖閣・竹島問題など不安材料があるものの旅行需要が堅調に推移する中、中期経営計画に基づいた事業構造改革を進めており、これにともなう施策が今回の業績に結びついたと説明。

 具体的には、団体旅行では重要顧客の新規需要開拓などに向け、全国横断型の組織体制を活用した営業活動を展開。また、個人旅行では海外パッケージツアーのスマートフォンでの販売などによりオンライン販売を拡充しつつ、店舗向けには付加価値の高い商品の販売を強化しているところという。

 また、事業構造改革そのものでは、1月の会社分割で営業を開始した事業会社のうち、近畿日本ツーリスト東北、近畿日本ツーリスト中国四国、近畿日本ツーリスト商事が当初の計画値を上回る業績で推移。個人旅行事業を移管した近畿日本ツーリスト北海道、近畿日本ツーリスト九州も計画通りの業績を残しているところだ。

 なお、13億8300万円の純損失に加えて純資産が37%減の18億4400万円となり、自己資本比率が1.3ポイント減の1.8%となっているが、KNTでは「依然として純資産が脆弱な状況」としつつ、中期経営計画による収支改善などに加え、近畿日本鉄道との30億円の限度額貸付契約により、事業継続について「重要な不確実性は認められない」としている。