出国者数の伸び止まる-9月は11年比0.7%減、累計では13.1%増
日本政府観光局(JNTO)によると、2012年9月の日本人出国者数(速報値)は、前年比0.7%減の162万5000人となった。2011年7月以降、とりわけ今年2月からほぼ2ケタ増のペースだったプラス成長の勢いは止まった。
竹島・尖閣問題の影響で、韓国や中国など数の大きいデスティネーションへの影響が懸念されていたが、9月12日の定例会見で発表した日本旅行業協会(JATA)海外旅行業況では、7月から9月は韓国がプラス2と低水準。中国はマイナス2ケタとなっており、その影響がうかがい知れる結果となった。
1月から9月の累計では13.1%増の1415万3000人で、プラス推移を維持。残り3ヶ月間は1ヶ月平均128万3000人を超えると1800万人に達することになる。ちなみに、10年の10月から12月の3ヶ月平均は138万1117人、11年は149万2218人。10年は9月に尖閣諸島漁船衝突が発生した。
一方、訪日外客数は前年比22.6%増の66万500人で、累計は41.3%増の632万8500人。2010年比では9月単月が8%減、累計で4.1%減となっている。この結果について、JNTOでは回復が遅れている韓国、シンガポールに加え、尖閣諸島の国有化以降、中国からの訪日客が減少したとしている。しかし、中国、台湾、香港は、9月単月で過去最高に次ぐ数値だった。このほか、タイ、マレーシア、ベトナム、インドは9月単月で過去最高を記録。特にタイは4月以降6ヶ月連続で過去最高を更新している。