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長安副大臣、課題は空港民営化-伴野副大臣、中韓市場の早期回復期待

  • 2012年10月11日

 このほど国土交通副大臣に長安豊氏と伴野豊氏が就任し、10月10日に就任会見を開催した。長安氏は今後の課題として空港の民営化を指摘。国際競争力を高めていくためには民営化が重要であり、空港民営化法案の成立に向けて取り組みを続けていく方針を示した。

 航空などを担当する長安氏は政権交代直後の2009年9月から約2年に渡り、国土交通大臣政務官を経験。国土交通省の成長戦略会議にも出席していた。同氏は戦略会議で出された関空と伊丹の経営統合、羽田の24時間化、オープンスカイの推進、LCCの振興は順調に進んでいるとの見方を示した。航空ネットワークの維持についても日本航空(JL)の再上場はあったが一定程度は達成したとの考え。「航空分野では大きな前進があった」と評価した。

 今後の課題としては、「一つ抜けているのは、民間の知恵と資金を活用した空港経営の抜本的効率化」との考えから、空港の民営化をあげた。空港民営化法案については先の通常国会で提出したが、国土交通委員会では審議されずに終わってしまったという。

 長安氏は「(法案は)従来の整備方法、運営方法では競争力が高まっていかないのではないかとの問題意識から始まっている」と説明。日本の地方空港から仁川経由でヨーロッパや北米に旅行する日本人は多い事例を上げ、「(仁川に)国の需要が奪われているという認識であり、日本の中でしっかりとしたネットワークを張っていかなければならない」と述べた。

 また、従来は航空ネットワークは航空会社任せになってしまっていたとし、「国の管理を民間に改めることで、空港もネットワーク充実のため、経営戦略を立てて取り組むことができる」とメリットを説明。法案の重要性を改めて強調した。今後は次期国会で審議予定の同法案の成立をめざし、取り組みを進めていくという。

 一方、観光などを担当する伴野氏は会見で中国、韓国の領土問題について言及。観光に与える影響について、「一連の流れについては、落ち着いた、冷静な環境ができることを期待する」と述べた。同氏は「(観光立国の)計画達成のため、中国と韓国に過度に期待をしてきたこともある」と指摘。観光庁では2013年度予算の概算要求に「東南アジア・訪日100万人プラン」を組み込み、中国、韓国以外の市場の開発をはかっているが、伴野氏も「広くアジアや世界に視点を広げ、ある意味リスクヘッジを含めて、力強い計画を立てていく」考えを示した。