9月以降の海旅、旅行会社の5割が「減少」、中国、韓国取り消しで-TSR調査

  • 2012年10月7日

▽今後の予想、中国は9割が「減少」、韓国は3割が「変わらず」

 今後の申し込みの予想では、回答があった41社のうち、海外旅行全体で、全体の46.3%にあたる19社が「減少」と答えた。次に多かったのは「変わらず」で41.5%の17社。「増加」は12.2%の5社だった。

 中国、韓国への旅行については、中国は39社、韓国は41社が回答し、有効回答数は80社となった。両国とも「減少」を予想する会社が最も多く、合計で77.5%の62社となった。ただし、国別で見ると中国は89.7%の35社と約9割に及んだが、韓国は65.8%の27社だった。韓国では29.2%にあたる12社が「変わらず」と回答しており、2国の回復の期待に温度差が生じている。

 また、韓国で「増加」と答えた2社からは「11月から年内に回復する」との予想が出されており、「観光は11月から12月に持ち直す見込みであるため店頭のパンフレットは維持するが、中国は戻る見込みがないのでパンフレットを出さない」という回答もあったという。

 今後の対策についての質問では、中国、韓国から販売チャンスのあるヨーロッパ、ハワイなど他方面へシフトすると答えた旅行会社が多かった。大手旅行会社からは、海外旅行の行き先を円高メリットを背景にハワイやグアムに変更したことで、業績に大きな影響を受けていないとする会社もあった。また、国内旅行の強化をはかり、多方面化によるリスク分散を強めるとした意見も出された。

その他、「今後の中国との関係を見ながら、中国方面のツアー展開のボリュームを決める」など、様子をみながら対応すると答えた会社もあり、TSRでは中国、韓国の旅行は、しばらく様子見の状態が続くとの考えを示した。