JTB田川氏、JATA特別委は燃油と訪日が優先課題

  • 2012年9月26日

 日本旅行業協会(JATA)の政策検討特別委員会で委員長を務めるジェイティービー(JTB)代表取締役社長の田川博己氏は9月26日、本誌取材に応じ、燃油サーチャージと訪日旅行に関する諸課題に優先的に取り組む方針を語った。

 26日の第3回会合では前回までに集約された課題を、特別委自体で議論していくものと、各委員会が担当するものに整理。各課題に取り組むためのプロセスも話し合い、海外、訪日、法制など各常設委員会が今後取り組むべき課題と議論の方向性も示した。

 特別委では、燃油、LCC、チャーター、地方空港の活性化などの航空関連の課題に取り組むことを決定。田川氏は「航空座席に業界の推移がかかっている。早急にJATAとして意見をまとめていきたい」と強調。現状の市場に合わせて今年中に取り組みの方針を固め、年明けから交渉を開始したい考え。特に燃油問題は旅行会社が不利になることを問題視し、優先的に取り組んでいく必要があるとした。

 また、田川氏はインバウンド事業者の適正化も優先的に取り組む課題と説明。訪日旅行のランドオペレーターに対し、認証制度の導入を検討していると述べた。認証制度案は、海外の旅行会社が訪日ランドオペレーターに依頼する際の判断基準を策定し、基準を満たした業者を「認証ランドオペレーター」にしようとするもの。JATA国際観光フォーラムでも案が提示されており、今後は年内か年度内に整理し、4月以降には実践していきたいという。

 なお、特別委は、JATAが事業全体の見直しと整理を実施し、内外の環境変化に合わせた事業をスピード感をもって展開するために6月に設置されたもの。各委員会の意見を集約、調整する役割も担う。旅行会社を取り巻く諸課題で、航空関連やオンライン旅行会社など、既存の委員会をまたぐものが増えてきていることが背景にあり、田川氏は「JATAの従来の組織のあり方だと谷間ができる。そういう隙間を徹底的に埋めて、一枚岩で意見を出していきたい」と意欲を述べた。

 特別委では航空や訪日のほか、旅行業の健全な発展と地位の向上や、地方の活性化にも取り組んでいく。健全な発展と地位の向上では需要創出や旅行会社の価値創造などを推進。また、地方の活性化では「政策ワーキングチーム」「地域振興ワーキングチーム」を立ち上げ、2チーム体制で取り組んでいくという。