海外旅行の回復は20代女性が牽引、今後の座席増に期待-JTBFシンポジウム
▽航空座席に余裕、市場拡大の余地あり
日本の海外旅行市場の成長に不可欠な要素が航空座席のキャパシティだが、黒須氏は今後も市場拡大の余地は十分にあると分析する。
航空座席供給量は10年秋の羽田の再国際化で拡大し、11年第1四半期の日本発着の航空座席数は前年比8.9%増と増加。震災後は5月を底に計画値と比較して最大約10%の落ち込みをみせたが、前年比では羽田路線による増加分と相殺し約5%減に留まった。8月には前年並みまで回復し、それ以降、羽田再国際化前の水準を上回り続けている。
一方、旅客数の伸び率は2011年の10月、11月を除き、座席数の伸び率を下回り続けており、ロードファクターは伸び悩んでいる。黒須氏は、今後もこの傾向は続いていくとの考えで、世界経済が大幅に後退して航空会社が座席供給量を絞らなければならない状況が訪れない限りは、市場拡大の余地はあり続けると見る。
このほか、ロードファクターの上昇余地以外に市場拡大に貢献する航空関連の動きとして、空港容量の拡大とLCCによる新規需要創出も指摘。空港容量では2014年に羽田の再拡張も予定されており、こうした座席供給量の増加が継続すれば2014年の出国者数が2000万人に達する可能性もあるとした。