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インタビュー:ツーリストエキスパーツ 高木英二氏

  • 2012年8月21日

旅行者とのコミュニケーションで「ファン」増やす
添乗員として企画や販売のサポートも

 ツーリストエキスパーツの高木英二氏は、パッケージツアーに加え、視察ツアーなども担当するこの道38年のベテラン添乗員だ。2011年の観光関係功労者として大臣表彰を受けており、64歳の今も年間約200日の添乗業務をこなしている。旅行商品の造成や視察ツアーの企画、営業も携わるという高木氏に、添乗の魅力や旅行会社との協力体制について聞いた。


-学生時代に添乗員を志したとのことですが、きっかけは

 小学校6年生の時、スウェーデン人宣教師から英語を教わるようになったのがきっかけです。ヨーロッパの写真を見せてもらい「行ってみたい」と思いました。また、親戚に旅行業関係者がおり、ヨーロッパの話を聞くことで、ますます興味は強まりました。高校2年の夏に旅行会社で1ヶ月アルバイトをし、10月には45日間のヨーロッパ旅行にサブ添乗員のような形で参加。校長先生に「自分の将来が決まってくるので休ませて欲しい」と直談判し、高校を休ませてもらって参加したのですが、いろいろな国に行くことができる添乗員の仕事にさらに魅力を感じました。

今は年間200日ほど添乗に出ており、方面は主にヨーロッパ。7割から8割が近畿日本ツーリスト(KNT)のパッケージツアー「ホリデイ」の添乗で、残りが各支店ベースで発生する、インセンティブツアーや視察ツアーなどの団体旅行です。


-添乗をする際に心がけていることを教えて下さい

 最大のポイントは「次もKNTのツアーであなたと一緒に行きたい」と言っていただける添乗をすること。自分が添乗する際は旅行先や旅行形態にかかわらず、自分のファンを作り、KNTのツアーに戻ってきてもらえるよう心がけています。そのためには、お客様とのコミュニケーションが重要です。

 ツアーでは、お客様全員と仲良くなるようにしています。ランチやディナーの時間に席を回り、なぜそのツアーを選んだのか、興味は何か、などを会話の中でヒアリングし、コミュニケーションを深めます。また、あるスペインのツアーでは夕食前にお客様とバールに行き、タパスを軽くつまみながら食前酒を楽しむ、ということをやりました。すると、その日以降、毎晩ホテルに到着すると「今日はどこのバールで飲む?」という話になり、参加者同士の親睦もはかることができました。こうした機会を増やし、参加者との壁を作らず、1つのツアーを自分の家族のように捉え、サービスしていきたいと考えています。

 もっとも、1名参加の方への対応は難しいところ。お声をおかけして、差し支えなければ食事をご一緒することもありますし、1人でいるのを好む方もいらっしゃるので、お客様のニーズに合わせて対応しています。