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今が千載一遇の好機、LCCと関係構築を-航空経営研究所・牛場氏

  • 2012年7月26日

 公益財団法人日本交通公社(JTBF)が7月24日に開催した第17回海外旅行動向シンポジウム第2部で、パネリストとして登壇した航空経営研究所副所長の牛場春夫氏は、日本にLCCが本格参入する今年を「将来のwin-winな関係を作る千載一遇のチャンス」と述べ、両者の歩み寄りによる関係構築を提案した。

 牛場氏は日本のLCC参入について、短距離市場で「レガシーキャリアよりも低運賃を出せれば大成功する」と述べ、新規需要は「40%創出する」との予測を提示。一方、LCCのビジネスモデルはBtoCの直販だが、日本市場では2011年までの過去5年間で海外パッケージ旅行比率は3割を保ち、依存度が高いことから「LCCも旅行会社が必要」とする。将来的にLCCのシェアが高まるなか、「旅行需要は季節変動があり、景気にも左右される。ボトムの時には座席の在庫処理が生じ、流通に頼まざるを得なくなる」と予見し、「両者をうまく使いあったLCCと旅行会社が成功する」との持論を示した。

 また、「欧州の大手ツアーオペレーターは垂直統合でホテルや航空会社も持っている」という欧州の事例と、「日本のLCC市場が大きくなり、東アジアの大交流が始まる。日本政府も規制を緩和して交流拡大をバックアップしているこの機会を逃す手はない」と市場が好機にある現状を提示。この好機に「旅行会社がLCCに出資してもいいと思うし、LCCも旅行会社に出資することもいい。ひとつの選択肢として十分にあり得ると思う」と、新たな関係について言及した。