オーストラリア、50万人市場に向け取り組み強化-ATE会場から
▽西オーストラリア州、クイーンズランド州
震災の影響は各州・地域で異なるが、今回のATE開催地となった西オーストラリア州では、11年4月から12年3月までの1年間で11.2%減となり、オーストラリア全体よりもわずかながら減少幅が小さい結果となった。西オーストラリア州政府観光局日本局長の吉澤英樹氏は、「もともと直行便比率が40%あった中で直行便がなくなったことを考えれば、非常に頑張った数字であり、州の魅力に対する自信にもなった」と評価。
12/13年度も過去5年間の取り組みを継続し、ワイルドフラワーと語学研修を中心とした教育旅行に力を入れていく方針。資源ブームでホテル不足の問題も出てきているが、「細かいコーディネーションとコミュニケーション」で対処していきたいという。
一方、最大の市場であるクイーンズランド州は、11年4月から12年3月までの1年間で22%減と大きく落ち込んだ。ゴールドコーストが25%減、ケアンズが18%減となるなど厳しい数字が並ぶが、復調の兆しはある。特にケアンズは11月の皆既日食もあり、トロピカル・ノース・クイーンズランド観光局(TTNQ)日本ディレクターの新堀治彦氏によると、夏から年末に向けて「すごく動きが良い」状況だ。
クイーンズランド州政府観光局日本代表の西沢利明氏によると、今後は学生市場の取り組みを強化。また、2009年に給与15万豪ドル(当時約1000万円)でハミルトン島の管理や宣伝業務を担当する人を募集して話題になった、「ザ・ベスト・ジョブ・イン・ザ・ワールド」のようなキャンペーンを再び展開したいという。旅行会社などと共同で、20歳から35歳程度の層をターゲットとして、アクティブなイメージを打ち出すキャンペーンも予定している。
また、TTNQでは15年までに20万人をめざす計画は変更せず、各種のプロモーションを予定しており、例えば9月に劇場公開される映画「ファインディング・ニモ」の3D版に合わせてキャンペーンを計画。ジェットスター航空(JQ)の関空便デイリー化をめざした取り組みも続ける。ゴールドコースト観光局も、テーマパーク、フード&ワインなど多様な魅力をアピールしつつ、従来から得意とする大型インセンティブなど団体の取り込みも強化する方針だ。