新関空会社、14年度の発着回数30万回へ-まずは着陸料引下げ
▽ターミナル戦略でリテール事業強化、LCCターミナルは10月竣工
ターミナル成長戦略では、大阪国際空港ターミナル株式会社との連携でリテール事業の強化をはかる。同社の株式取得による小会社化をはかり、検討委員会を設立。子会社化の早期実現に向けて取り組みを進めていく。また、ターミナルエリアのテナント料の引下げや、各ターミナルビルの改装、拡充も検討していく考え。空港周辺の土地の有効活用や空港の観光スポット化もはかり、商業施設の売上につなげていく考えだ。
また、LCC専用ターミナルを活用し、LCCネットワークの充実をはかる。関空のLCCの拠点空港化を進めていく考えで、今年10月にはLCC専用ターミナルが竣工し、供用を開始する計画だ。まずは専用ターミナルの9スポットでLCCに対応していくが、関空を拠点空港とするLCCが増えれば増設も検討するという。
▽経営効率化、シナジー効果はかる-オペレーション統合
経営効率化戦略では、関空、伊丹の一体運用、管理によるシナジー効果の最大化をはかる。各種計画や設計、施工、維持管理を一体管理し、共通業務の一括発注、資機材の共有化を実施。また、飛行場内のオペレーションやセキュリティ、危機管理の空港運用部門を統合し、マルチオペレーションシステムも導入する。さらに、民間経営手法の徹底的な追求をはかり、全社員で経費削減活動を継続し、より深化させていくことで「成長の原動力となる原資を生み出していきたい」(室谷氏)考えだ。室谷氏は「利益を成長の布石として再投資し、好循環につなげていきたい」と述べた。経営効率化による原資は、関空の着陸料の値下げなどで活用する考えだ。