クラツー、福島旅行の意識調査、「訪れて良かった」91%
クラブツーリズムはこのほど、東日本大震災後の福島県への旅行に関する意識調査を実施した。これは、震災後にクラブツーリズムのツアーで福島を訪れた旅行者を対象とし、旅行先としての福島県に対する意識をとらえるため、「福島県を訪れた理由」「福島県を旅行するにあたり不安だったこと」「実際に訪れた感想」などに関して調べたもの。回答者は661名。
福島県を訪れた理由・目的は「復興支援の思いから」が60.4%でトップ。次いで「観光スポットの訪問やお祭りなどのイベント」(51.4%)、「温泉」(40.8%)、「自然」(39%)など、福島県への観光を目的とした理由も多くなっている。また、「復興支援」を理由として東北の中でも福島県を旅行先に選んだ理由としては「風評被害が最も大きいと聞いたから」と「過去に訪れたことがあり、良かったから」がそれぞれ58.1%と高い値を占めた。
一方、福島県を訪れる際、不安に感じたこととしては「原子力発電所の影響による放射線問題」が81.2%、「余震の可能性」が54.1%となった。放射能については、東北6県への旅行者全体では17.2%が不安を感じるのみで、福島県への旅行者との間に64.0ポイントの差が開いている。逆に、被災者の迷惑になる、復興活動の邪魔になるといった自粛的な心配は、東北6県への旅行者が不安に思う割合のの半分以下に留まった。
福島への旅行について放射能や余震などの不安を感じた人も、55.3%は現地を訪れたことで不安が軽減されたと回答。「どちらともいえない」も29.4%となっているが、福島県を訪れて良かったかを聞いた設問では、「そう思う」が79.4%、「ややそう思う」が11.6%で合計91.0%となった。また、再訪意欲もボランティアとしての訪問を含めて92.1%となった。なお、旅行前に不安に思っていたほど訪れて良かったと思う傾向が高かったという。
このほか、福島県旅行の印象を自由回答で質問したところ、震災被害や放射能の影響は感じることはなく、ほかの観光地と変わらないとのコメントが多く挙げられた一方、観光客の少なさや風評被害を指摘する声が多かったという。