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ニュージーランド航空、CEOが日本重視を強調、過去最多級チャーター運航へ

  • 2012年6月17日


 ニュージーランド航空(NZ)CEOのロブ・ファイフ氏が来日し、ビジネスの現況と来年度の展望を語り、引き続き日本市場を重視する姿勢を示した。ファイフ氏は昨年の震災発生後、翌々日の便で来日して状況を確認し、成田線を関空経由ではなく通常通りの運航継続を決定。過熱気味だったニュージーランドへのメディアに対して積極的にインタビューに応え、正しい情報の伝達に努めたという。

 2011年度の会計年度(2011年7月~2012年6月)については、両国での震災に加え燃油の高騰、欧州の経済悪化などの影響で、「非常に厳しい年」と振り返る。全体では黒字を確保するものの、日本路線は就航後初めて、利益計上に至らない見通しだ。この状況に対応するため、来年度はコスト削減をはじめとする再編策を実施。燃費効率の良い航空機の使用推進のほか、一部では約5%の人員も削減する。また、運航路線は豪州路線など利益の高い路線への「選択と集中」で強化する方針で、豪州路線ではバージン・オーストラリア(DJ)とアライアンスを提携。日本路線では全日空(NH)とのコードシェアで効率化をはかる。

 さらに日本路線では、現行の定期便に加え、チャーター便に力を入れる。チャーター運航を再開した2009年以降で最大となる15本を運航する予定だ。現在、福岡、名古屋、広島への運航は決定しており、他の都市も来週の合意に向けて動いている。需要が高まれば増やすこともありうるという。

 旅行会社との関係については「日本でビジネスをする上でとても重要」との認識を示し、従来以上の関係強化をはかる。一方で、消費者向けのアプローチも重要として、双方のチャネルを大切にしていく考えだ。主要客層であるシニア層に加え、「若者層にもニュージーランド旅行の需要が強いことが判明した」とし、若者層へのアプローチも強化する。これらの変更や取り組みにより、日本路線でも来年度は利益を上げる自信があると話す。

 このほか、既に欧米路線で導入している「スカイカウチ」などの新プロダクトについても、先ごろの取締役会で成田便で運航するボーイングB777-200型機とB787-900型機への搭載が承認された。2年後になる予定だが、日本路線でも導入することになる。また、先ごろの航空協議で2013年夏以降の羽田就航が合意になったが、ファイフ氏は「同じ空港で頻度を増やす方が利用しやすい。現在のところ羽田就航の計画はない」と語った。


▽日本支社の組織変更、チャーター部門も

 NZマーケティング部によると、日本支社で組織変更を実施。「営業・マーケティング本部」のなかに「旅客営業部」「オンラインセールス」「チャーター・営業開発部」「予約部」を設置する。従来以上に旅行会社との関係強化に力を入れるとともに、FITやチャーターなどマーケットの需要ごとの迅速な対応ができる体制とする。

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※訂正案内(編集部 2012年6月18日 15時11分)
訂正箇所:日本市場でのチャーター運航について

誤:チャーター便を過去最多となる15本を運航する予定。
 ↓
正:チャーター運航を再開した2009年以降で最大となる15本を運航する予定だ。