阪急阪神交通社グループ、11年度営業利益7.4%増、海旅人数10%増に

  • 2012年6月12日

 阪急交通社や阪急阪神ビジネストラベルなどを含む、阪急阪神交通社グループ(※)の2011年度(2011年4月1日~2012年3月31日)の決算で、営業収益は前年比0.2%減の675億7100万円、営業利益は7.4%増の31億7100万円となった。

 旅行事業の総取扱額(※総額)は0.8%減の3457億5500万円と減少。このうち、海外旅行は6.1%増の2365億1300万円で、募集型企画旅行の取扱人数は約10%増の約90万人と増加した。第1四半期は東日本大震災とそれによる自粛ムードの影響が強かったが、5月以降はキャンペーン商品を積極的に展開し、ヨーロッパ、中国、アジア方面を中心に回復した。海外旅行の総取扱額は、観光庁が取りまとめた2011年度の主要旅行会社の取扱概況で3位となっている。

 一方、国内旅行は12.3%減の1090億9300万円で、募集型企画旅行の取扱人数は約9%減の約262万人。キャンペーン商品で九州方面を中心に集客を伸ばしたが、震災と風評被害の影響が強かった。

 今後については、懸念材料として海外旅行は燃油サーチャージの高止まり、国内旅行では北海道や沖縄など長距離方面の座席供給減があるとするが、海外旅行は円高の影響で全体的に堅調な推移を予想。国内旅行は東北方面が依然として厳しい状況にあるが、九州方面が新幹線開通効果で好調に推移しているという。

 阪急阪神ホールディングスでは、阪神阪急交通社グループで2015年度に営業収益745億円、営業利益47億円とする計画を立てている。旅行事業の重点課題としては、「満足度の向上」「販売力の強化」「安定的利益確保のための基盤整備」の3点を上げており、品質管理やリスクマネジメントの徹底、商品バリエーションの増加、販路の拡大、業務効率の改善などさらに強化していく方針だ。


※阪急阪神交通社ホールディングスの旅行・国際輸送事業(連結子会社29社)