トップインタビュー:ジェットスター(後)、グループ展開と他社との差別化
7月3日の国内線就航が近づくジェットスター・ジャパン(GK)。2013年中には近距離アジア路線も就航する予定だ。これにより、ジェットスター航空(JQ)グループは3社が日本に就航することになるが、どのようにネットワークを広げ、営業を展開していくのか。JQ日本支社長としてGKに出向している片岡優氏に聞いた(聞き手:弊誌編集長 松本裕一、4月25日に実施)。
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トップインタビュー:ジェットスター(前)、国内線就航に向けた戦略
-JQ、ジェットスター・アジア航空(3K)、GKの3社が日本に就航していますが、どのように路線網を構築する計画でしょうか
片岡優氏(以下、敬称略) まず、GKの国際線については、2013年中に近距離アジアに就航予定だ。基本的には成田または関空からになると思うが、路線などはまったく決まっていない。就航地などを発表するタイミングも未定だ。
3Kについては、関空/シンガポール線をかなり増便していて、今年の夏ダイヤからは台北経由は週7便増の週14便、マニラ経由も新規就航で週4便。両路線ともに非常に好調だ。JQも週4便でダーウィンからマニラ経由で成田に飛んできている。ダーウィン線は就航予定日から1週間分、4便をキャンセルしてご迷惑をおかけしてしまったが、お客様には振り替えか全額払い戻しと、ご迷惑料としてバウチャーをお送りして対応した。
もともとJQグループとして日本に飛ばしたのは長距離線用の機材であるエアバスA330型機だったが、途中地点を経由することでA320型機でも飛べるような路線が加わってきている。今後は、GKを含めてA320による近距離国際線のネットワークは来年以降、非常に大きく増えると思っている。
さらに2013年にジェットスター香港も設立予定で、日本就航を検討していると発表している。このため、東南アジアの、特に日本発着の近距離国際線ネットワークは、JQ、3K、GK、ジェットスター香港の4社で一つのジェットスターブランドとして、かなり濃いネットワークを構築できるのではないかと考えている。
-グループ4社が同一地域で営業する上での戦略は
片岡 基本的には、どちらの航空会社で飛んでもジェットスターブランドで売るので、販売方法は変わらない。後は運航形態や路線権の問題があるが、仮に2社に路線権があって両方とも飛ばすとすれば、考えることは時間が重ならないようにすることだ。
また、1社のみであれば、どちらが飛ばした方が得なのかということも考える。例えばジェットスター香港が飛ばした方がコストが安いのであれば、日本側はジェットスターブランドで売ることに専念するという方法もある。
3Kについても、実際にはJQ便などと同一のプラットフォームで販売する。便名が変わって運航する航空会社が違うだけで、プロダクトはすべて同じという考え方。JQ、3K、GK、あるいはジェットスター・パシフィック(BL)も一つのウェブサイトで購入でき、旅行会社向けの端末「スカイスピード」も同様だ。
このように色々な使い分けができ、一番の選択肢を複数社で考えられるという点で、非常にフレキシブルな運航が可能だ。
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