JAL、11年度営業利益が過去最高に-LCC影響「現状なし」
日本航空(JL)グループの2012年3月期(2011年4月1日~2012年3月31日)の通期決算で、売上高は1兆2048億円、営業利益は2049億円、経常利益は1976億円、当期純利益は1866億円となった。営業利益は前期の1884億円を上回り、2年連続で過去最高を更新した。売上高の内訳は、国際旅客が3852億円、国内旅客が4811億円、貨物が788億円、その他が2595億円。
国際旅客では、前期までに完了した不採算路線の整理と機種数の削減に加え、減便や運休、投入機材の見直しによる需要減退への対応の一方、ビジネス旅客が増加傾向にあるデリー線の増便、需要が回復しつつあるホノルル線の機材大型化や臨時便の設定など、需給適合や実施。また、アメリカン航空(AA)との太平洋路線における共同事業や、ワンワールド加盟航空会社とのコードシェア拡大、期間限定運賃の販売による閑散期の需要喚起、機内食の改善などに取り組み、商品力の強化に努めた。
2013年3月期については、売上高が1.2%増の1兆2200億円、営業利益が26.8%減の1500億円、経常利益が29.1%減の1400億円、当期純利益が30.3%減の1300億円を予想。増収減益は燃油費の増加のほか、航空機材の償却期間の短縮、夏季賞与、サービス品質向上への投資などによる費用の増加のため。
JL名誉会長の稲盛和夫氏はこれらの予想値について、「非常に保守的な計画」としつつ、多様なイベントリスクに備えたものと説明。その上で、「これを最低限として、これを上回るような数字が出るように努力をしてくれると考えている」と語った。