現地レポート:タイ、カオラックの魅力、南部の新デスティネーション
国立公園、エコ要素も豊富
ビーチリゾートに留まらない、カオラック
タクアパの熱帯樹林とオールド・タクアパのレトロ感を楽しむ
翌日は車で30分ほど走り、タクアパの町へ移動。熱帯雨林の中の約3キロメートルをボートで下る「リトル・アマゾン」に参加した。かつてスズを運ぶために作った運河にカヤックを浮かべ、緑のトンネルの中をゆっくり進む。川面に白や赤の鳥が舞い、時折木の枝にからみつく蛇にも出会うが、昼間は寝ているので害はないという。約1時間のツアーは、前日の筏下りと同じくまったり、のどかそのものだ。
昼食後、オールド・タクアパを訪れた。タクアパは2000年の歴史を持ち、海のシルクロードの要所ともなった古い町だ。100年から200年前まではスズの積出港として栄えていたが、度重なる洪水被害のため近年、新タクアパに移転する政策がとられ、オールド・タクアパのメインストリートはシャッターを閉じた店がほとんどだ。
見どころは中国とポルトガルの影響がミックスした建築様式が残る古い町並みだ。レトロな雰囲気が漂う町は映画のロケにも使われ、いっときタイムスリップしたような気分になる。住民のほとんどが中国系で、別の通りには何世代もの時を経て黒光りする木造建築が軒を並べている。
このほか、カオラック周辺には果樹園が多く、4月から8月にかけてマンゴスチン、ランプータン、パパイヤ、パイナップルなどが次々と収穫の時期を迎える。日本では珍しい熱帯フルーツのピッキングも、季節に合わせて提案したい。