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現地レポート:タイ、カオラックの魅力、南部の新デスティネーション

  • 2012年4月27日

国立公園、エコ要素も豊富
ビーチリゾートに留まらない、カオラック

カオラックからの旅行先、カオソック国立公園内の湖にあるハーロイライ・リゾート

 タイ国政府観光庁(TAT)は3月下旬、22ヶ国から約250名の旅行関係者を招聘し「ミラクルタイランド研修旅行」を実施した。日本からの参加者はプーケットの北部に位置するビーチリゾートカオラックに滞在し、カオソック国立公園を含む周辺の観光地を視察。TAT東京事務所マーケティング・マネージャーの藤村喜章氏は「自然が豊かで日本人にはあまり知られていないカオラックを、南部の新しいデスティネーションとして紹介したい」と説明する。南部タイの新デスティネーションとなるカオラックの可能性を探った。


周辺環境に恵まれたビーチリゾート、カオラック
ハイライトはカオソック国立公園

カオラックを代表するリゾートのひとつ、カオラック・ラグーナ・リゾート。ビーチからは美しい夕日が望める

 カオラックはプーケット空港から車で約1時間。アンダマン海に面した海岸沿いに高級リゾートが次々とオープンしている。魅力は11キロに渡って続く美しい白砂の海岸、背後に控える手付かずの自然、そして素朴な人々だ。大きな繁華街や深夜まで営業する土産物屋はない。しかしそこにはプーケットに住むガイドが、「週末や休暇はカオラックで過ごす」と語るほど美しい自然と心癒される時の流れがある。



バンブーラフティング。数年前まではボートを利用していたが、環境を考えて竹製の筏に

 さらにカオラックからミニバスで1時間。国内に102ある国立公園のうち2番目に大きいというカオソック国立公園へ向かった。最初の体験はソック川でのバンブーラフティングだ。竹の筏に2人ずつ乗り、鳥のさえずりを楽しみながら約4キロを1時間かけて下る。30分下ったところで上陸してコーヒータイムに。竹の筒を使ってお湯を沸かし竹のカップで飲むコーヒーは、インスタントとは思えぬ美味しさだ。漕ぎ手がいるため体力は必要なく、年配の人でも子供でも参加できる優しいエコツアーである。

竹筒で沸かしたお湯を竹のコップに注ぐ。まさにエコツアー

 その後、ラチャプラパ湖へ移動。タイ南部の電力をまかなうため30年前に造られた人造湖で、日本で2番目に大きい霞ヶ浦と同じ面積をもつ。湖底にはいくつもの村がそのまま残っており、それらを見るためダイビングに来るヨーロピアンもいるという。





ラチャプラパ湖に連なる峰々の景色。2億8000万年前の海底が隆起したものだ

 ハイライトは墨絵のような美しい風景の中を走るボートトリップだ。水面から石灰岩の峰々が屹立する奇岩の世界に、参加者の1人は「まるで(映画の)アバター・ワールドだ!」と絶賛。「タイの桂林」とも称されるが、スケールは遥かに雄大だ。湖面にはレストランやフローティングリゾートが点在し、カヤックやカヌーなどが楽しめる。小型モーターボートに乗り1時間。訪問した「ハーロイライ・リゾート」のテラスからは、遥か彼方に奇岩の連なる風景が望める。まるで絶海の孤島にたどりついたような隔絶感があり、日常が遠のいていくのを感じる。

ハーロイライ・リゾートは1週間前にオープンしたばかり。11棟16室を備え、カヤックなどが楽しめる

 カオソック国立公園ではこのほか、象によるトレッキングやハイキングなども体験できる。希望のアクティビティを組み合わせた日帰りツアーが可能だ。湖に浮かぶコテージに宿泊すれば、リラックス感はより深まるだろう。