アクセスランキング、1位は新関空会社、LCCやクルーズも
[総評] 今週は、新関西国際空港株式会社の設立に関する記事が1位になりました。例によって外部サイトでの掲載を感じさせるアクセス数ではありましたが、旅行業界にとって大きなニュースであることは間違いありません。特に海外旅行は航空路線網のあり方によって市場そのものが大きく変化しますから、社長に就任される三井住友銀行副頭取の安藤圭一氏の手腕への注目は自ずから高くなります。
さて、関空といえば今、LCCの動きが注目されているところで、3位の記事ではピーチ・アビエーション(MM)が初の国際線運賃を発表しています。関空/ソウル線が片道5280円から2万3980円、就航記念で2500円ということです。個人的には、これが驚くほど安いかというとそうは思えないのですが、すでに外国系のLCCが相次いで就航してからしばらく経ち、例えばジェットスター航空(JQ)がオーストラリアへの航空券を片道500円に設定したこともありましたし、目が慣れてきているのかもしれません。
いずれにしても5280円、あるいは2500円をさほどの驚きを持って受け取らない人は多少なりいるはずでしょうし、MMをはじめとするLCC各社だけでなく既存航空会社も含めて、そうした市場の中で競争しなければならないことになります。往復で約1万円、それがあればスーツやデジタルカメラが買えてしまうような世の中で、飛行機に乗る理由をどう訴えるかが課題になりそうです。
また、MMが就航1ヶ月で4便欠航したことについて一般メディアで報じられていますが、極端にいえばLCCは欠航、遅延が当たり前のビジネスモデルですから、その他のデメリットも含めて、安いものには安いなりの理由があるということも広く浸透させなくてはならないでしょう。日本的な思いやり、ホスピタリティとLCCモデルの両立にはかなりの苦労が伴うのではないかと思います。
今週はこのほか、6位にプリンセス・クルーズが2013年4月から外国船籍の客船会社としては過去最大規模となる日本発着クルーズを実施する記事が入りました。クルーズは、海外旅行市場においてかなりのポテンシャルを持っていながら、これまではなかなか日の目を見にくかったといってしまって良いでしょう。
しかし、今回は7コース9航海、計87泊を日本発着で運航するという大規模なもので、初年度は1万8000人の集客をめざすといいます。日本のクルーズ人口が約15万人程度とされる中で、1万8000人の数字が持つ重みは非常に大きなものです。
日本のクルーズ人口の過去最高値は、スタークルーズが福岡を拠点に配船した2000年に達成した21万5900人であるそうで、今回のプリンセス・クルーズによる配船だけでこれを上回ることは難しいかもしれませんが、クルーズに対する認知向上やクルーズ経験者の増加は、必ず過去最高値の更新につながるでしょう。トラベルビジョンとしても、クルーズ市場の拡大に向けて、情報発信という形で最大限のお手伝いをしていきたいと気持ちを新たにしています。(松本)
▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2012年3月第5週:3月25日0時~3月30日19時)
第1位
◆新関空会社、代表取締役社長に三井住友銀行の安藤氏-創立総会で選任(12/03/25)
第2位
◆全日空が組織改正、営業推進本部も改編へ(12/03/26)
第3位
◆ピーチ、初の国際線は片道5280円から、就航記念は2500円(12/03/27)
第4位
◆スペシャリスト・インタビュー:京成トラベルサービス 北林幸子さん(12/03/26)
第5位
◆成田も夏スケジュール過去最高に、国際線は21便増(12/03/25)
第6位
◆過去最大の日本発着クルーズ、プリンセス・クルーズが来年4月から(12/03/28)
第7位
◆「ジェットスター香港」設立へ、中国東方航空と共同で(12/03/26)
第8位
◆エバー航空、スターアライアンス加盟へ、13年後半か(12/03/29)
第9位
◆ジャルパック、新社長候補に二宮秀生氏(12/03/28)
第10位
◆TCSA、12年度はみなし労働への対応重視-人材育成強化、高齢者活用も(12/03/25)