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現地レポート:南アフリカ、MICE開催地として急成長

  • 2012年3月30日

南アフリカのMICEトレードショー「ミーティング・アフリカ」
ラグジュアリーからCSRまで広がるMICEプロダクト

ケープタウン近郊のワインランド、山に囲まれたロケーションでのランチも(ル・エルミタージュ)  2月28日から3月1日まで、南アフリカのMICEトレードショー「ミーティング・アフリカ」が、ヨハネスブルグのサントン・コンベンション・センター(SCC)で開催された。6年目となる今回は約280社が出展、海外18の国と地域からバイヤー205人が参加、入場者数は前年比20%増の3452人と過去最高になった。2010年のFIFAワールドカップ以来、国際会議の開催地として注目される南アフリカのMICEデスティネーションとしての可能性をレポートする。


2012年から2013年に30件以上の国際会議を誘致へ

ミーティング・アフリカはヨハネスブルグのサントン・コンベンション・センター(SCC)で開催  南アフリカがMICEの開催地として急成長している。2011年7月にはダーバンで国際オリンピック委員会(IOC)総会、12月には第17回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP17)を開催するなど、2010年のFIFAワールドカップ以降、南アフリカは着実に大規模会議の開催実績を積んできた。

日本からも旅行会社5社が参加、各ブースを訪問  海外からのMICE訪問者数は全体の約6%となる50万人以上だが、経済波及効果の大きいMICE分野を取り込むため、南アフリカ観光局(SAT)は2007年から、MICEのトレードショーであるミーティング・アフリカを開始。2011年11月には国際会議誘致の支援部門としてナショナル・コンベンション・ビューロー(NCB)を立ち上げた。MICE訪問者の約4割がレジャーに再訪していることからも、南アフリカを訪れるきっかけとしてのMICEが重要になっている。

NCBエグゼクティブマネージャーのアマンダ・コッツェ=ンラボ氏  南アフリカは2016年までに、30万人の訪問が見込まれる国際会議200件の開催を目標としている。ミーティング・アフリカのオープニングで挨拶した観光大臣のマルティネス・ファン・スカウクフェイク氏は「2012年から2013年は30件の国際会議を誘致し、これによる訪問者1万8000人、直接消費額1億6200万ランド(17億1720万円)をめざす」と明言。アフリカでの国際会議開催数は南アフリカが最も多く、2010年は86件で世界36位だった。専門家によれば、アフリカに本部を置くNGO団体とアフリカが参加する国際業界団体が増加傾向にあり、中国、インド、ブラジルなどの国々とのビジネス関連会議の増加も予想されるという。

SAT・CEOのチュラニ・ンジマ氏  また、MICE分野のアジアマーケットについて、NCBのエグゼクティブマネージャーのアマンダ・コッツェ=ンラボ氏は「参加が増えているインド、中国はじめアジアとBRICsは重要なマーケット」とし、日本については「自動車工場等が企業会議につながるはず」と期待を寄せる。 

 今年のミーティング・アフリカには約280社が出展し、入場者数は3452人と過去最高になった。これについてSATのCEOチュラニ・ンジマ氏は「南アフリカへの関心の高まり」と評価。会期中には商談会のみならず、セミナーやパネルディスカッションも行なわれた。