フランス、SNSで参加型キャンペーン、地方強化でリピーターも

  • 2012年3月22日

 フランス観光開発機構(ATF)は3月21日、2012年度キャンペーン「感動大国、フランス。」の概要の発表とフランス観光親善大使の任命式を開催した。冒頭挨拶に立った駐日フランス大使のクリスチャン・マセ氏は「日本とフランスの絆は深く、お互いがそれぞれの感動を求めている」と述べ、双方向交流の大切さを主張。「感動」がキーワードになっているキャンペーンの意義を強調した。

 ATFでは、2012年度も昨年度から引き続き「感動大国、フランス。」キャンペーンを展開していく。日本市場での取り組みとしては、50歳から75歳のアクティブシニア、25歳から40歳の女性層、好きなことにはお金を惜しまない層を主なターゲットと定め、フランスの多様性や豊かな創造性をアピールしていく。パリに加えて、ミディ・ピレネー、ノルマンディー、ローヌ・アルプなどの地方の魅力を発信していくことで、リピーターも育成していきたい考えだ。

 また、新たな試みとして、キャンペーンサイト(Francekando.com)を立ち上げるとともに、フェイスブックやツイッターも開始。インターネットとソーシャルメディアを連動させたユーザー参加型のキャンペーンを展開していく。キャンペーンサイトでは、自分で撮ったフランスの写真を投稿することができ、投稿された写真の中から気に入った写真への投票も可能にすることで、フランス好きのネットワークを構築していきたい考えだ。このほか、4月からはJR山手線や東京メトロなどで交通広告も展開し露出を高めていく。

 ATF在日代表のフレデリック・メイエール氏は「フランスはすでに知られた国というイメージが強いが、常に変貌しており、新しい発見ができるデスティネーション」と述べ、新しい観光素材や地域を日本市場に紹介していく考えを示した。また、昨年の日本市場について「日本人宿泊日数は1月と2月では前年を上回った。震災後落ち込んだものの、最終的には前年比2.7%減にとどまった」と評価。外国人宿泊日数のうち日本人が占める割合は5.35%と高く、日本人観光客は現地での消費額も大きいことから、メイエール氏は「日本が重要なマーケットであるのに変わりはない」と強調した。

 なお、2012年度の観光親善大使には、俳優で映画監督の竹中直人さんと写真家で映画監督の蜷川実花さんを任命した。2人ともこれまでの渡仏経験が20回以上というフランス通。竹中さんは「パリの街をあてどなく散歩するのが楽しい。パリ郊外の藤田嗣治のアトリエを訪れるのもいい」とパリの楽しみ方を提案。また、蜷川さんは「パリは何度行っても新しい発見がある。年齢によっても見えてくるものが違うからおもしろい。やはり、女性はパリが好き」とパリの魅力を紹介した。