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現地レポート:ゴールドコースト、ビーチ以外の豊富な観光素材

  • 2012年3月9日

実体験の感動が販売に生きる
魅力を認識し、幅広いマーケットへのアプローチを

豊富なアクティビティを体験して
さまざまな旅行者にアピールを

絵本に出てくるような、かわいいヨーロッパ風の建物が点在するマウント・タンボリン  本誌は、デイアクティビティの「マウント・タンボリン半日観光」と「アイランド・アドベンチャー」、ナイトアクティビティの「カランビン自然保護区ヤンガワー・アボリジニのショーとディナー」の3つに参加した。これらは、今後クイーンズランド州政府観光局(TQ)がピーアールに注力する素材だ。

ビール工場の見学も可能。ここでは6種類の地ビールを醸造している  TQマーケティング部長の柴田正三氏は「ゴールドコーストといえばビーチという先入観が強い。しかし山やアボリジニ文化、クルーズといったいろいろな楽しみ方がある。それらを体験することでこれまで以上にマーケットを広く捉え、従来とは異なる旅行者を獲得してほしい。ゴールドコーストは3世代で楽しめるデスティネーションだと確信している」と話す。

アイランド・アドベンチャーの親切で面倒見のいいスタッフ  「マウント・タンボリン」は、ゴールドコーストの中心地から車で1時間15分ほどのエリア。ヨーロッパの田舎町を思わせる、小さくて洗練された建物が点在し、それぞれがアーティストのギャラリーやカフェ、アンティークやクラフト雑貨などを扱うショップになっている。周辺の6つのワイナリーから集めたワインを試飲できるショップや、地ビール工場とチーズ工場、ビストロが入った複合施設もあり、のんびりと散策を楽しめる。ゴンドワナ多雨林保護区のジャングルを空中の遊歩道から眺め下ろす「スカイウォーク」を組み込むのも可能だ。「山や熱帯の特殊な植生といった、ゴールドコースト旅行の新しい側面を打ち出したい」と柴田氏。

アイランド・アドベンチャーのバーベキューランチで用意されたビーフステーキ  「アイランド・アドベンチャー」は、無人島を訪れる半日のクルーズだ。「さまざまなアクティビティを体験できるクルーズは、日本市場に強くピーアールしていきたい素材のひとつ。参加者が旅行者に直接楽しさを伝えることで、売れ筋の商品に成長するのではないか」と柴田氏は期待する。船上では、底抜けに明るくフレンドリーなオーストラリア人クルーが、賑やかで楽しい時間を演出する。クルーズ中はジェットボート、世界で2番目に大きい砂の島「サウス・ストラッド・ブルッグ島」への上陸後はパラセイリングなど、エキサイティングなオプションも整っている。

カランビン自然保護区ヤンガワー・アボリジニのショーとディナーで、バナナの葉で野菜を包み焼きにする調理法のプレゼンテーション  この日は、20代前半の日本人カップルが1組乗船していた。クルーズ中は潮風を浴びて、インクルーシブのスパークリングワインで乾杯。上陸後は木陰で波の音を聞きながらのんびり過ごすといった、ロマンティックな時間を満喫したそうだ。また、障害のある子どもとその母親が乗船にはクルーが手厚くケアして、いくつかのアクティビティを楽しんでいた。

カランビン自然保護区ヤンガワー・アボリジニのショーとディナーでは、ショーの終了後、ダンサーたちと記念撮影できる  「カランビン自然保護区ヤンガワー・アボリジニのショーとディナー」は、昨年12月に開始されたばかりの新しいツアーだ。アボリジニの歴史を紹介するスライドショーの後、園内を散策しながら、バナナの葉で包み焼きにする伝統的調理法のデモンストレーションを見学したり、植物との関わりについてアボリジニの男性から話を聞く。また、動物との触れ合いも可能で、夜間でもコアラと記念撮影ができる。夜行性のカンガルーやタスマニアン・デビルは、昼間とは全く異なる活動的な様子を見せていた。ツアーは英語のみだが、「日本人ガイドと送迎をつけるなど、旅行会社が介入できる」と、信永氏はいう。