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VWC、16年2000万人めざす、キャンペーンから「基幹事業」に

  • 2012年3月7日

 日本旅行業協会(JATA)は3月7日、海外旅行委員会を開催し、VWC2000万人推進室を廃止して海外旅行業務部と統合することを決定した。2008年度から継続してきたビジット・ワールド・キャンペーン(VWC)を、過去4年間の取り組みを「フェーズ1」と位置づけて2011年度末で終了。2012年度からは「フェーズ2」として、キャンペーンではなく「ビジット・ワールド事業(VW事業)」として展開する。これにより、日本人海外渡航者数について、2012年は1800万人、2016年は2000万人の達成をめざす。これに合わせて、海外旅行業務部は2012年4月1日付けで「海外旅行推進部」と名称を変更する。

 JATA海外旅行委員会委員長を務めるジェイティービー(JTB)代表取締役会長の佐々木隆氏は、同日に開催した記者会見で「(2010年に海外旅行者数2000万人という)数字は届かなかったが、今後は海外旅行推進部の活動範囲を広げるかたちで基幹事業として展開し、2012年度に1800万人、2016年度に2000万人をめざす」と説明。その上で、「国際線の座席供給量が、オープンスカイ政策やLCC就航などにより従来とは違った形で増えていく可能性もあり、目標数値は射程距離に入っているのでは」と期待を込めた。

 VW事業の2012年度の主要活動計画では、海外旅行需要喚起プロモーション、海外旅行環境整備活動、JATA国際観光フォーラム旅博を三本柱に展開する。海外旅行需要喚起プロモーションでは、デスティネーション開発、地方活性化、ダイレクト・マーケティング&メディア活動の取り組みをおこなう。

 こうした活動については、フェーズ2への移行のタイミングで各種ワーキンググループやプロジェクト、デスティネーション開発委員会などの機能と役割を洗い直し、デスティネーションや地域単位のワーキング・グループとして再構築する考えだ。海外旅行への規制緩和に向けた取り組みやデスティネーション・スペシャリスト制度の活用のほか、「もっと!海外へ」ロゴ使用を継続する。

 なお、これまでのVWC2000万人推進室長を務めた澤邊宏氏はこれまでの活動をについて、「目標が到達しなかったのは非常に残念」としながらも、「旅行会社が観光局や航空会社、ランドオペレーター、空港会社、ホテルと観光促進に向けたアクションの場が設定できたのは事実で、こうしたアクションを通じて、日本だけでなく、各国の本局人的交流や連携ができるのは今後の原動力になる」と振り返った。