アクセスランキング、1位はスパンエアー、2位はAAのJFK線

  • 2012年2月3日

[総評] 今週はスパンエアー(JK)が突然、全便の運航を停止した記事が1位になりました。本当に突然だったようで、噂によると離陸前のタクシング中に指示を受けて引き返した航空機まであったそうです。日本市場ではスペインの国内線で利用されることが多かったのですが、JK日本地区総代理店によると、2月3日16時現在ではJK本社から発券済み航空券のリファンド手続きなどに関する指示は来ていないといいます。

 JKについて調べた際、海外のニュースサイトなども覗いていたのですが、実は1月にJKだけでなく、エア・アルプス(A6)やチェコ・コネクト航空(CQ)といった航空会社も運航を停止したというニュースが掲載されていました。さらに、マレブ・ハンガリー航空(MA)も昨日運航停止を発表しています。A6は2月1日に運航を再開してはいるものの、経済環境が悪化している欧州で航空会社の経営に影響が出ても不思議ではありません。

 日本航空(JL)、全日空(NH)ともに好調な業績を今週発表していますが、欧州危機の状況を考えますと、JKなどのニュースも対岸の火事とのんきに構えているべきではないように感じられます。

 続いて2位には、アメリカン航空(AA)による成田/ニューヨーク線運休と羽田/ニューヨーク線再開の記事がランクインしました。航空会社の就航意欲が成田から羽田にシフトする可能性、いわゆる成田空港の「空洞化」は、羽田が再国際化された2010年当時から指摘されていましたが、記憶が正しければ同一都市に成田と羽田から路線を設定し、成田をやめるという選択はこれが初ではないかと思います。

 AAは日本航空(JL)と太平洋路線で共同事業を展開していますが、共同事業のメリットの一つとして航空会社側が常に強調するものの一つが、スケジュールを最適化できる点です。つまり、共同事業の枠組みがなければ、最も需要が高い時間帯に各社の便が集中するのに対し、共同事業であれば収益をプールするので、例えば午前と午後など、より利便性の高いスケジュールを組めるという理屈です。

 今回のAAの判断にも、この考え方は多少なりとも影響を与えているでしょう。JLのニューヨーク線もありますし、それぞれ異なった需要を取り込める効果にも期待できます。個人的には、高需要期はそれで良いとして、冬スケジュールになった時に深夜早朝枠の羽田線で需要をどの程度取り込めるのかが気になっていますが、結局はこれからの利用実績がそれを決めるのでしょう。

 話がそれましたが、今回のAAの決定が成田の「空洞化」の先鞭をつけることになるのか否かは、旅行業界だけでなく世間一般にも重要な意味を持つでしょう。例えば、国の国際競争力を考える際に国際ハブ空港の存在は不可欠ですし、そもそも「人の流れ」は「お金の流れ」です。その意味で、国土交通省は成田と羽田の2空港を首都圏空港と捉えて一体的に発着枠の拡大を進めていく方針を示していますが、そろそろ本当に「一体的運用」の具体的な青写真を示してほしいと願ってやみません。(松本)


▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2012年1月第5週、2月第1週:1月29日0時~2月3日18時)
第1位
スパンエアー全便運休、イベリア航空など臨時便、特別運賃も(12/01/30)

第2位
アメリカン航空、成田/JFK線運休へ-羽田線再開は変更なし(12/02/01)

第3位
イースター航空、関空/仁川線開設、片道「980円」運賃も-3月末から(12/01/29)

第4位
「90日前から取消料5%」、約款改正でJATAが再提案(12/02/02)

第5位
タイのジェットアジア、成田/バンコク定期チャーター-AGTがGSAに(12/01/29)

第6位
エアアジア・ジャパン、航空運送事業許可を取得(12/02/02)

第7位
成田、本邦LCC2社、第2ターミナル増築分で対応(12/01/30)

第8位
エアアジアX、羽田デイリーに-路線再編で日本など主要国に注力(12/01/31)

第9位
トップインタビュー:ハワイ州観光局(HTJ)局長 高畑エリック氏(12/01/31)

第10位
アリタリア、伊系2社と統合へ-規模拡大や競争力向上めざす(12/01/31)