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ANAグ、第3四半期は経常利益22.5%増-通期は営業、経常利益を上方修正

  • 2012年1月31日

 全日空(NH)グループの2012年3月期第3四半期(2011年4月1日~12月31日)の連結業績で、売上高は前年比3.0%増の1兆698億5500万円となった。震災からゆるやかな回復基調にあるなか、割引運賃設定による需要喚起や、通期で300億円程度の緊急収支改善策を実施するなどの取り組みにより、営業利益は17.3%増の911億4300万円、経常利益も22.5%増の714億6100万円となった。当期純利益は、2011年12月の税制改正による法人税率の引き下げで繰り延べ税金資産を一部切り崩したことなどで、10%減の337億8000万円となった。

 航空運送事業は、売上高が2.9%増の9575億円、営業利益は19.1%増の835億円となった。このうち国際線は、震災直後1ヶ月間は大幅な需要の落ち込みがあったが、ビジネス需要は6月、レジャー需要も夏場には前年並みまで回復。割引運賃設定による需要喚起や、需給バランスに適した機材の供給などが奏功し、売上高は12.5%増の2419億円と増加した。旅客単価も1.5%増となった。ただし、海外発の訪日需要の回復は遅く、完全回復は当期末までかかる見通しだ。

 路線網では、震災後の需要低迷により、一部路線で期間運休・減便など緊急措置を実施した一方、成田/ホノルル線など需要の高い路線の機材を大型化。新規開設路線についても、成田/成都線は12月までの利用率が約70%、中部/香港線は約80%と好調に推移しているとした。こうした取り組みにより、旅客数は10.8%増の432万8575人となった。座席供給量は17.8%増だったが、旅客輸送量は10.1%増にとどまり、利用率は5.1ポイント減の72.8%となった。

 また、国内線の売上高は1.1%減の4972億円、旅客数は6.3%減の2955万2914人となり、第2四半期に比べ減少幅が縮小。旅客単価は5.6%増となった。国際線と同様、ビジネス需要は6月以降前年並みまで回復。レジャーも回復傾向にあり、割引運賃の追加設定による需要喚起などが奏功し、落ち込み幅は縮小傾向にあるという。震災後の一部路線で運休・減便を実施した一方、新規路線として松山/沖縄線、伊丹/秋田線を開設したことにより供給量を拡大。座席供給量は0.2%減と微減したが、旅客輸送量は6.4%減と落ち込み、利用率は4.1ポイント減の61.3%となった。

 旅行事業では、売上高が4.4%減の1194億円と減少したが、営業利益は旅行商品の仕入原価や販売関連費用を抑制した結果、14.0%増の37億円と増加した。海外旅行では7月以降には中国を除く各方面で震災前の水準まで回復。出発間際の需要の取り込みを強化したダイナミックパッケージが大幅に売上を伸ばしたほか、年末のホノルルチャーターの販売も奏功し、前年を上回る売上高となった。一方、国内旅行はダイナミックパッケージの需要の増加で10月以降は前年を上回る回復をみせたが、上半期の関東、東北方面の旅行需要の落ち込みが足を引っ張り、売上高で前年を下回った。


※訂正案内(2012年2月2日 17時33分)
・訂正箇所:5段落目第3文
誤:出張の間際需要の取り込みを強化したダイナミックパッケージが…

正:出発間際の需要の取り込みを強化したダイナミックパッケージが…




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