ANAグ、第3四半期は経常利益22.5%増-通期は営業、経常利益を上方修正
▽通期業績予想、営業、経常利益を上方修正
2012年3月期(2011年4月1日~2012年3月31日)の連結予想では、営業利益と経常利益をそれぞれ200億円上方修正した。全日空(NH)上席執行役員財務部長の金澤栄次氏によると、通期で展開している300億円程度の緊急収支改善策が計画通り進行していることと、来年度以降に計画しているコスト構造改革の一部前倒しにより費用削減が見込めるため。同氏によると、緊急収支改善策では第3四半期までに約235億円削減するに至ったという。
また、コスト構造改革の前倒しでは、機材貸借費や整備備品の外注費、販売費、間接費用などで「80億円程度前倒しが可能」との見通しだ。今後は「ユニットコストを下げていくことが大命題」とし、2012年度からコスト構造改革を本格的に実施し、数年で1000億円の費用削減をめざす。12年度からの中期経営計画の骨子に据える考えだ。
一方、売上高はほぼ当初の計画通りに推移していることから、前回予想を据え置いた。純利益は税制改正に伴う法人税率の引き下げがあることから、繰延税金資産の一部取り崩しなどにより、100億円程度の税金費用の増加を織り込むため、変更はしないとした。これにより、通期の業績予想では売上高を1兆4000億円、営業利益は900億円、経常利益は560億円、当期純利益は200億円と見込む。