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前田国交相、12年は訪日回復へ-東北観光博で震災復興も

  • 2012年1月5日
 国土交通大臣の前田武志氏は、このほど実施した合同インタビューで、訪日外国人3000万人に向けたビジットジャパン事業の促進について「成長戦略の1つの柱として、しっかり頑張りたい」と注力していく姿勢を示した。

 前田氏は2011年を振り返り、「震災の直後は国内旅行もインバウンドも極端に減った」が、「インバウンドについてはかなり順調に推移してきた」と指摘した。日本政府観光局(JNTO)が取りまとめた11月の訪日外客数推計値でも、中国は35%増の9万2300人、香港は22.8%増の3万3700人と前年を上回ったという。今後は訪日外国人3000万人をめざし、官民連携を強化し日本全体で訪日プロモーションを推進するとともに、風評被害の払拭をはかる。また、外客受入環境の整備やMICEの誘致、開催を推進することで、訪日観光需要の拡大へと繋げていく方針だ。

 また、国内旅行では官民合同の国内旅行振興キャンペーンを実施し、旅行機運を醸成する。とくに東北地方では、東北地域全体を観光博覧会場と見立て、東北一体で旅行需要の回復をはかる「東北観光博」を1月から実施し、「さらなるテコ入れをやっていきたい」考え。新たな観光地域づくりのモデル構築にもめざす。国土交通大臣を委員長に6県の知事や関係経済団体などをメンバーとする実行委員会を設置して進めていく計画で、1月中にウェブサイトを立ち上げプレオープンとし、15ヶ月間継続して実施していく予定だ。前田氏は「国民運動的に東北に行こうというような展開をしたい」と意欲を示した。

 海外旅行では、前田氏は、若年層の海外旅行控えについて懸念を示した。今後はキャンペーンやモニターツアーを実施し、海外旅行の拡大へとつなげていきたい考えだ。同氏は日本人は外国語などでハンデがあるため、パッケージツアーの役割を改めて指摘。ただ名所旧跡を見るだけではない「物語性をもった魅力的なツアープログラム」が必要とし、「旅行関係の方々のこれからますます実力発揮の世界になるのではないか」と期待を示した。

 航空行政では、オープンスカイの一層の促進と、LCC参入促進に関する取り組みをすすめていき、国内外の交通ネットワークの充実をはかる。とくに成田のオープンスカイについては、2013年夏の年間発着枠27万回拡大のタイミングで2国間輸送の自由化をはかり、引き続き東アジア、ASEAN地域を最優先にオープンスカイ交渉を進めていく考え。また、成田の以遠権については「その次に来る課題」としながらも、「関空や中部では以遠権を含めてオープンスカイにしている。なるべく早く追いつきたい」との考えを示した。