現地レポート:中国、冬の成都・九寨溝-新たな商品造成のチャンス
市場拡大と収益性高い中国ツアーの創出を(1)
オフシーズンの注意点、雪や低気温の影響
九寨溝の冬の魅力付けをする降雪や滝などの凍結は、参加者の安全管理の面では心配な材料ともなる。例えば、観光時には車中や展望台での眺望だけでなく、湖や川沿いの木道を歩く。木道は昨年、すべてアメリカ製の滑りにくい資材のものにリニューアルしたそうだが、標高が高く、気温が低いため、降雪時の状態が気になるところ。実際、訪問時も午前の早い時間では霜がおり、川の水しぶきがかかった部分は他と比べて滑りやすくなっていた。
九寨溝風景管理局副局長の徐氏によると、九寨溝の降雪は10センチ程度とあまり多くない。積雪があった場合、道路や木道は除雪をする。木道は積雪や霜によるスリップを防ぐため、該当箇所には毎朝、麻布を張っている。ただし、研修旅行の参加者から麻布の幅が狭いという指摘を受けて、今後は布の枚数を増やす用意をする意向だ。
また、空港から九寨溝への道路についても降雪は少ないが、積雪があった場合は、除雪をする体制を整えている。空港から九寨溝周辺まで84キロの距離があるが、その中で積雪があるのは最も海抜が高い付近の150メートルくらいだという。
このほか、オフシーズンの九寨溝では原始林など奥地の方で一部通行止めとなり、観光ができなくなるほか、パンダ滝は水量の多い8月から10月のみしか見られないなど、注意したいポイントもある。日本人の一般的なツアーにはほとんど問題がないが、九寨溝はピークシーズンの露出が多く、そのイメージを持つ人も多いため、夏と冬の違いを旅行前にうまく伝えておくことも大切だろう。
なお、九寨溝での宿泊だが、今回視察したシェラトン九寨溝リゾート、九寨天堂インターコンチネンタル、新九寨賓館は通年オープンしている。宿泊料金をピーク時の半額程度にするなど、オフシーズンならではの料金設定もあるという。