アクセスランキング、1位はピーチ、B787関連など注目集まる
[総評] 今週は、ピーチ・アビエーション(MM)の運賃体系などについてお伝えした記事が1位になりました。金曜日に掲載してすぐさま1位になっていますので、かなりの注目度です。さすがに片道250円のキャンペーン運賃は強い印象を与えたようです。
運賃体系は2パターンで、例えば関空/福岡線は片道3780円から1万1780円。ウェブ以外の予約だと1000円以上の手数料を徴収されるなど、必ずしもこのままの運賃で搭乗できるわけではありませんが、同区間の日本航空(JL)や全日空(NH)の片道普通運賃は2万4100円ですから、既存航空会社の約半分という目標は達成できたといえそうです。
今後の関心は、3780円など安価な価格帯でどの程度の座席が提供されるかでしょう。250円の5000席などあっという間に埋まってしまいますから、旅行市場に与えるインパクトとしては市場そのものを動かすようなものではないと思われます。MMなどLCCがめざすところの「新しいコンセプトで潜在需要を掘り起こす」(MM代表取締役CEOの井上慎一氏)を実現するためには、継続的な価格訴求が必要になるでしょう。
「潜在需要」、つまり「今までは飛行機に乗ろうとしなかったものの『こんなに安いのであれば乗ってみようか』と思う層」は、勝手な想像ですが、おそらく相当に価格志向が強いでしょう。「○○円であれば乗る」というそれぞれの基準があって、それを上回れば乗るわけですから、「○○円」を持っていないわけではありません。
そう考えると、彼らは単に「○○円」を他に使った時に得られる何かと比べるわけで、その意味ではLCCのライバルは航空会社ではなく、日常生活で利用するような飲食店や娯楽施設などになるのかもしれません。
ところで、今回の記事では、とうとう「旅行会社」という言葉が出てきました。個人的には(少なくとも現時点ではまだ)、日本で完全な直販を実現できる航空会社はあり得ないと考えていますので特に驚きはありませんが、旅行会社とどういった取引関係を構築しようとされているのか、非常に興味深く感じています。
営業に行って「売りたければ売ってください」とは言えないでしょうし、かといってLCCですから流通コストは削って運賃を下げたい。そのような中で、旅行会社に販売するメリットをどう伝えるのか、どのような「Win-Win」を訴えるのかは悩みどころでしょう。
また、旅行会社からすれば、安価な航空券を販売してどうやって利益を確保するのかという点は、LCCと向き合う上で大きな課題になりそうです。こうした点については、今後の取材を通して是非ともお伝えしていきたいと考えています。
なお、今週はこのほかボーイングB787型機に関する記事も2本入りました。このうちNHはまたも納入が遅れ、路線計画を変更するという内容です。B787型機は「ドリームライナー」という明るいネーミングを得ていますが、NHとしては度重なる納期の遅れでなかなか「良い夢」を見られる段階に至りません。
もう1本でランクインしたJLは、同型機で成田/ボストン線やモスクワ線などの運航を計画していますが、これから受納予定の外国航空会社を含めて、果たして計画を予定通りに進めることができるか、気になるところです。(松本)
▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2011年12月第3週:12月11日0時~12月16日18時)
第1位
◆ピーチ、就航運賃は片道250円、旅行会社にも営業開始(11/12/15)
第2位
◆JAL、B787は成田/モスクワ、ニューデリー、羽田/北京線に(11/12/11)
第3位
◆インタビュー:西鉄旅行商品企画室海外センター所長の田中正彦氏(11/12/12)
第4位
◆スカイマーク、羽田/関空線に就航へ、茨城など増便も(11/12/12)
第5位
◆全日空、B787の納入遅れ、定期便の就航計画を変更へ(11/12/15)
第6位
◆全日空、特典航空券に発券手数料、カウンターなど2100円徴収へ(11/12/14)
第7位
◆ルフトハンザ、「新ジャンボ」テスト飛行、12年初旬に受納予定(11/12/12)
第8位
◆全日空とルフトハンザ、共同事業の収入シェアで大枠合意(11/12/13)
第9位
◆フォトニュース:バンコク、アユタヤ、通常観光可能(11/12/13)
◆タイ、洪水で31万人の需要減 -感染症リスクなく、年明けの回復見込む(11/12/14)
◆タイの観光大臣が洪水の終息を表明、回復へキャンペーン始動(11/12/14)
第10位
◆日本航空、ウェストジェット航空とコードシェア開始(11/12/13)