16年の訪日外客、1500万人案と2000万人案提示-観光立国見直しで
観光庁は12月12日、交通政策審議会(交政審)観光懇談会を開催し、観光立国実現に向けた目標、具体的な施策について協議した。2016年の訪日外国人観光客数の数値目標では、1500万人とする第1案と、2000万人にする第2案を提示。第1案では12年は震災前レベルの861万人減の回復をめざし、13年は1000万人、16年は1500万人とした。一方、第2案では現行の目標通り、16年で2000万人をめざす考えだ。
また、16年の海外旅行者数は2000万人に設定。国内宿泊観光旅行の年間平均宿泊数では、2010年実績の2.12泊から1泊増やし3.12泊とする第1案、06年から10年の平均実績の2.42泊並の回復をはかる第2案、減少傾向を食い止め2.12泊の維持をはかるとする第3案を提示した。
そのほか、国内での旅行消費額を26兆4500億円から33兆5900億円に、国際会議の開催件数を10年の5割以上の増加となる1111件以上にまで増やすことを目標とした。今回の見直しで新たに加わった、旅の質をあげるための満足度調査については、訪日外国人の満足度について、消費動向調査で「大変満足」と回答する割合を40%程度、「必ず再訪したい」と回答する割合を50%程度への拡大をめざす。国内観光地域の旅行者満足度については、「大変満足」と「必ず再訪したい」と回答する割合を25%程度まで増やす目標だ。
こうした目標に対し、懇談会参加者からは「現実的である必要はあるが、ある程度高い目標を設定し、予算や各省庁との連携など、手順をはっきりしていくべき」との意見が出された。また、日本政府観光局(JNTO)の積極的な活用を求める声も上がったという。
今後は観光関連団体や地方公共団体に対し、観光立国についての意見を募集する文書を発出し、意見を募っていく。12年2月に具体的な目標や施策の仮案を協議し、パブリックコメントを募集。同年3月に観光分科会としての改訂基本計画案をとりまとめ、3月中の閣議決定をめざす計画だ。