エアアジアX、関空に初就航、デイリー運航も視野に

  • 2011年12月1日

D7のアズラン・オスマンラニCEO(左から3人目)と駐日マレーシア大使のダト・シャハルディン・ビン・モハマッド氏(中央)、D7日本支社長の坪川成樹氏(右) エアアジアX(D7)は11月30日、日本で2路線目となる関空/クアラルンプール線に週4便で就航し、12月1日の記者会見でD7最高経営責任者のアズラン・オスマンラニ氏は、早くもデイリー運航化に向けて積極的な姿勢を見せた。関空線のデイリー化を有力視するのは、同社の日本初路線である羽田線が、発着枠の制限により現状の週4便からの増便が容易ではないことに比べ、関空には便数制限がなく、機材繰りによって増便が可能であるため。オスマンラニ氏は、「西日本のハブであり、文化や歴史の魅力にあふれた地域を周辺に持つ関空から、日本と東南アジアの両マーケットを広げたい」と期待を込めた。

 また、日本と東南アジアの利用者の比率は50%を目標に設定。オスマンラニ氏は、「羽田線は10年12月の就航当初、日本マーケットの比率が20%程度だったが、この1年で40%にまで増えた」とし、「関空線でも同様の推移を想定している。増便のためにもイン/アウトのバランスが重要」と語った。首都圏についても成田線を選択肢に含めた便数の増加を計画しているといい、さらに日本就航3年目となる2012年には、次なる日本の拠点を確定して就航する予定だ。

 現在、関空では6社の格安航空会社(LCC)が発着しており、空港会社でも日本のLCC拠点となるべく積極誘致を続けているところ。オスマンラニ氏は、「新規市場を開拓すれば、そこに他社が参入してくるのは当然のこと。選択肢が広がるのはマーケット全体にとって大きなメリットとなる」と、競合を歓迎。さらに、「D7は、LCC初の本格的なフルフラットシートなど、常に新しい進化をすることで他社への優位性を保ち続ける」と自信を見せた。


▽日本マーケットでは旅行会社と協働の姿勢

“サムライルック”で登場したオスマンラニ氏 D7によると、関空への就航を受けて、訪日需要の中で羽田と関空をオープンジョーで利用する周遊旅行客の予約が増えているという。同社日本支社長の坪川成樹氏は、「日本からの予約も、クアラルンプールへの単純往復だけではなく、エア・アジアグループの路線を利用したクアラルンプール以遠との“組み合わせ旅行”を積極的に販売したい」と語った。

 また、現時点で同社の航空券販売の約9割がインターネット経由だが、一方で日本にはまだ、旅行会社を通して旅行を申し込みたい層が確実いることに触れ、既に旅行会社数社とパッケージツアー用の契約を交わしていることを明かし、今後、D7利用の旅行商品が増えていくことを示した。

 なお、今回の就航を記念しキャンペーン運賃を設定。エコノミークラスであれば片道1万円、プレミアムクラスであれば3万円で販売する。搭乗期間は12月1日から2012年3月31日までで、予約期間は12月1日から12月11日まで。全座席供給量のうち10%から17%をキャンペーンレートで販売する予定だ。