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現地レポート:ケニア(1)、大自然の魅力-周遊型から滞在型まで造成可能

  • 2011年11月18日

ケニア、新たな発想で多様な商品造成の可能性
大自然周遊ツアーからハネムーン、短い日程の商品も

動物観察に留まらない観光素材
マサイ族にアフリカ文化を学ぶ

マサイ村を訪問。歌や踊りで歓迎をうける参加者カラフルな布と装身具でドレスアップして歓迎してくれるマサイ族の女性たち。女性がまとう「カンガ」にはマサイのことわざのようなものが書かれているそうだマサイ族の住宅。マサイの文化についてのレクチャーなどもある  野生動物の観察以外では、マサイマラではマサイ族が暮らすマサイ村への訪問も、魅力のあるコンテンツだ。既存のパッケージ商品でも、ほとんどがマサイマラ国立保護区のサファリと併せてマサイ村への訪問を組み込んでいる。

 到着すると、まず長老の許可を得て入村する。村の中では、色とりどりの美しい布を組み合わせてまとい、ビーズやシルバーのアクセサリーを重ねづけして、華やかに装った女性たちが歓迎の歌で迎えてくれる。続いて男性たちが力強い歌と踊りを披露する。マサイ族の男性は全体的に身長が高く、跳躍力など身体能力の高さには驚かされる。

 そのほか、マサイ族に伝わる伝統文化や生活様式にも触れることができる。彼らの住居は牛糞と土を混ぜて塗り固めたもので、結婚準備として女性が家造りをするそうだ。訪問時に家の中を見ることもできる。また、参加者の何名かは木の道具から火を起こす体験をすることができる。

 住居区域と併設して簡単なマーケットもあり、マサイの人々が手作りしたビーズのアクセサリーや小物類、布製品や革製品といった土産物が並ぶ。ここでの売り上げは彼らの貴重な現金収入につながるそうだ。一般的には、ここで数十分程度のフリータイムをとる。

 牛の血を飲用する食習慣など、マサイ独特の伝統文化は非常に興味深い。ツアーの現地ガイドに加え、マサイ村の担当者が案内してくれるので、アフリカ先住民の文化に触れる貴重な経験ができる。動物観察と組み合わせることで、ケニア体験の奥行きが深まるだろう。

マサイの村ではマサイが手作りしたビーズ細工などの土産物を購入できる。記者はビーズの小物を5ドルほどで購入 参加者によると、ケニアへの訪問者は一部のリピーターを除くと、長期日程をとりやすいシニア層が多い。しかし、短い日程のツアーなどさまざまな商品を提案し、うまく需要を喚起できれば、女性やハネムーナーなど新規市場を開拓できる可能性を秘めている。語学的な問題や、情報の取捨選択の難しさから「旅行会社が介在して、利益を見込めるデスティネーション」であるだけに、参加者が現地で見出したような新たな着眼点で、幅広い客層にアプローチしてほしい。


ケニア航空、業務渡航増加、レジャー含め総合的に営業強化へ

KQのビジネスクラス「プレミアワールド」。180度のフルフラットになる ケニア航空(KQ)がデイリーで運航するバンコク/ナイロビ線について、バンコクでの乗継利便が向上した。昨年、タイ国際航空(TG)が開設した羽田/バンコク線を利用するもので、以前は復路で成田便に乗り継ぐ場合、バンコクで10時間前後の乗継時間が必要だったが、TGの羽田線(TG660便)には同日乗継が可能だ。

 KQによると、日本市場は従来、ほとんどがレジャー重要であったが、今年は業務渡航の利用が増えており、ナイロビ以遠の搭乗も多いという。ケニアに唯一、早朝に到着し、以遠への乗継の利便が高いことが、ビジネス需要に合致しているようだ。また、ケニア国内の国立公園に同日中に移動可能となるスケジュールが組めるため、レジャーにおいても現地滞在時間の短い日本市場に対する大きな優位点となっているという。

研修旅行時に提供されたエコノミークラスの機内食(バンコク発)。象のマークが目印のケニアのビール「タスカ」も飲める。ナイフ、フォークを入れた袋にも動物がプリントされ、ケニアらしさが感じられる また、ケニアは遠いイメージがあるが、バンコクからは約9時間30分のフライトで到着。KQのバンコク線で提供するビジネスクラスは、180度のフルフラットのシェルシートとなっており、訴求力のある価格でビジネスのみならず、パッケージツアーでの利用もあるという。今後、KQではハブであるナイロビの販売のほか、ナイロビを拠点にダルエスサラームやエンテベ、ジュバ、キガリ、ヨハネスブルグなど、アフリカ大陸内の幅広いネットワークを活用。レジャーとビジネスの双方の需要に対して、総合的にセールス活動を強化して、日本市場をサポートしていく考えだ。



取材協力:ケニア政府観光局、ケニア航空(KQ)
取材:江藤詩文