沖縄数次ビザ、3ヶ月で約4400件発給、座席増の効果も
外務省領事局外国人課によると、7月1日から中国人観光客に対して発給を開始した沖縄数次ビザで、7月1日から9月30日までの発給件数(暫定値)が4443件となった。7月は748件、8月は1393件で、9月は10月の国慶節による需要の増加もあり、2302件と急増。ビザの導入で「(中国人観光客に対しの)間口を広げることができたのではないか」との考えだ。
沖縄県文化観光スポーツ部観光振興課によると、中国本土からの観光客は、4月、5月はクルーズ船の寄港によりそれぞれ前年比88.9%増、92.9%増となったが、6月は12.9%減、7月は37.8%減、8月も7.3%減の3800人と減少した。ただし、数次ビザの発給開始により中国メディアの露出が増え、旅行会社からも注目が集まっているといい、「ビザの発券数が増えている状況を見ても、今後の増加が期待できる」との考えだ。2011年度の外国人観光客数の目標は40万人とし、このうち中国本土からの観光客数は前年の2倍にあたる5万人をめざす。
また、沖縄数次ビザの発給開始後、中国人観光客の需要の増加や、中国/那覇間における新規路線の開設や増便により、空路での訪問者数が増えたという。観光振興課によると、東日本大震災の影響で100名前後まで落ち込んだ4月、5月から大幅に回復し、8月は月単位で最高となる22.2%増の2200人となった。
沖縄県は7月14日、15日に上海と北京に知事を始めとしたトップセールスを実施しており、中国国際航空(CA)や中国東方航空(MU)、海南航空(HU)も訪問し、就航や増便を呼びかけていた。また、中国のメディアや旅行会社の招聘も継続的におこない、沖縄の魅力をアピールした。
こうした活動の成果もあり、HUが7月28日から北京/那覇線の運航を週2便で開始し、MUも週2便で運航していた上海/那覇便を8月2日から週4便に、9月21日から週6便に増便した。また、中国南方航空(CZ)は10月1日から国慶節に合わせ、10月中に大連/那覇チャーターを5本、瀋陽/那覇チャーターを9本運航する計画だ。さらに、CAも北京/那覇線開設に向けた動きを見せているという。
同県では今後も引き続きインバウンドの誘致をはかるため、既存の事業に加え、さまざまな施策を展開していく方針だ。例えば、今年は初めての試みとして、沖縄県内のインバウンド旅行会社が、海外のトラベルマートや展示会などに参加したり、海外の旅行会社にセールス活動を実施する場合に、助成金を提供しているところだ。