BtoBの「新IT運賃」を-JATAシンポ、チャーターやLCCも議論

  • 2011年10月2日

 JATA国際観光フォーラムで9月30日、航空座席の安定確保策を議論するシンポジウムが開催された。この中で、パネリストとして登壇したジェイティービー(JTB)航空政策室室長の清水直樹氏は、IT運賃の供給量が絞られ、PEX運賃での商品造成を強いられる現状において、規制緩和によってプライベートフェアの導入も進んでいることから、「BtoBのプライベートフェア、(業者間の)個別取引運賃としてIndividual Trade Fare、新IT運賃を検討する段階にあるのではないか」と意見を述べた。

 これに対して、モデレーターを務めた航空新聞社取締役編集長の石原義郎氏は、「旅行商品を作る上での仕入れである航空運賃に、なぜBtoC用のPEX運賃を使わざるを得ないのか。業者間取引という意味でいうとありえないと個人的には思う」と語り、官民の関係者による検討の場が必要と指摘した。

 なお、シンポジウムには清水氏、石原氏のほか、エヌオーイー(NOE)取締役東京レジャー営業本部長の橋本肇氏、NH常務取締役執行役員の片野坂真哉氏、シンガポール航空(SQ)日本支社長のデイヴィッド・リム氏が登壇し、LCCやチャーターといった諸課題についても討論。例えばLCCについて、「直接コメントする立場ではないが、エアアジア・ジャパン、ピーチともに旅行会社の販売する可能性がきっとある」(片野坂氏)、「日本流のLCCとのつきあい方を構築できれば」(橋本氏)といった考えが述べられるなど、充実した議論が交わされた。


※シンポジウムの詳細は近日掲載予定