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アクセスランキング、1位はエジプト航空の復便、震災から半年

  • 2011年9月9日

[総評] 今週は、エジプト航空(MS)が日本路線の運航を再開するニュースが1位になりました。MSの運休は年初に発生したデモなどの混乱を受けたもので、運休期間は実に約9ヶ月間に及びました。エジプトに行ったことは残念ながらまだありませんが、ピラミッドやスフィンクスが持つ神秘的な物語は頻繁にテレビや雑誌でも紹介されていますし、彼の地の持つ歴史や文化の魅力は常に日本人の心を惹きつけているように思います。

 また、エジプトは日本からの距離が遠く、気軽に一人旅をするにはややハードルが高いため、旅行会社にとって力を発揮できるデスティネーションです。シーズンを迎える11月以降、復便したMSの機材が満杯になり、席が足りない!といった嬉しい悲鳴が聞こえてきて欲しいと願っています。

 今週は、同様のニュースとして、ランクインはしませんでしたが、キャセイパシフィック航空(CX)と香港ドラゴン航空(KA)が冬スケジュールからすべての日本路線の運航を再開すること(リンク)や、エールフランス航空(AF)が成田/パリ線にエアバスA380型機を再投入したこと(リンク)もお伝えしました。

 アクセスランキング3位にはデルタ航空(DL)の福岡/ホノルル線就航のニュースも入りましたし、AFの記事でも触れましたが、最近は多くの方が、特に航空会社やホテルの方が需要の回復傾向を指摘されます。例えばカナダのアルバータ州では、1月から5月の累計の日本人訪問者数が前年を11%上回っているそうです(リンク)。

 一方で、もともとの期待値の差によるものなのかもしれませんが、旅行会社側は比較的厳しい認識をお持ちなように感じられます。ある大手旅行会社の幹部の方は、最近は海外旅行の取り扱いが伸びていると認めつつ、「震災によって延期された、ある程度の規模のインセンティブが一つ戻るだけでも数字は大きく動く」と指摘され、渋めの見通しを示されました。

 このように意見が分かれてくると判断に困りますが、少なくとも、現時点では確かに日本人が海外に渡航しているということは言えそうです。現に、観光庁の取りまとめによる7月の主要旅行会社の旅行取扱概況では、海外旅行の取扱額が前年比1.9%減まで回復しています。

 明日、3月11日からちょうど半年が経ちます。「まだ半年」あるいは「もう半年」と捉え方は様々ですが、震災後の絶望的な気持ちを思い出しますと、たったの半年間でよくぞここまで戻ってきた、というのが素直な感想です。被災地の復興は緒に就いたばかりで、放射能の懸念も引き続き心に重くのしかかりますが、そのような中で海外旅行に行こうと思われる方が少なからずいらっしゃるのは本当に心強いことです。

 旅行会社としては、そういった市場の底堅さに安心せず、むしろそのような中だからこそ海外に行くメリットをお伝えし、さらに需要を喚起していきたいものです。きっとそれは、半年前に世界中から差し出された支援の手に、日本の旅行業界が報いる一番の方法でもあるはずです。(松本)


▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2011年9月第2週:9月4日0時~9月9日18時)
第1位
エジプト航空、日本線を11月19日再開、商品造成も進む(11/09/05)

第2位
トップインタビュー:BA持株会社CEOのウィリー・ウォルシュ氏(11/09/05)

第3位
デルタ航空、福岡/ホノルル線開設へ、12月28日から季節運航(11/09/04)

第4位
JTB新紀元、中国人向け商品「悠逸」、初年度1万人送客へ(11/09/07)

第5位
12年度新卒傾向、成長分野への関心・志望が増加-採用数は横ばいか減少(11/09/06)

第6位
日本航空、7月の国際線旅客数は32%減、利用率も苦戦(11/09/05)

第7位
エアアジア、全便20%オフ、羽田/クアラルンプールも(11/09/06)

第8位
JL・AA、上海でも支店統一、アジア/北米間で共同事業進める(11/09/07)

第9位
8月の旅行業倒産件数は3件、11年累計は33件と増加傾向(11/09/08)

第10位
前田新国交相、観光政策、国民全体で共有を-航空は日本をハブに(11/09/08)