トップインタビュー:BA持株会社CEOのウィリー・ウォルシュ氏
羽田線は「楽観視」
JLとの関係強化が最重要課題
-JLとの関係について具体的な構想をお聞かせください
ウォルシュ 日欧間で共同事業を始めたい。BAにとってもJLにとっても、あるいは潜在的なパートナーとしてIBにとっても、日本と欧州をつなぐ共同事業として大きなビジネスチャンスがあると思う。JLとの協定を進めているところで、できるかぎり早くこれを最終的なものにしたいと努力を続けている。BAとしては、9月中にJLの大西賢社長と会合を開き、できれば協定を最終化したい考えだ。
BAはすでに、カンタス航空(QF)とオーストラリア路線で、アメリカン航空(AA)とIBとは大西洋路線で共同事業を始めている。NHとLHはすでに共同事業で合意しているが、だからこそBAとJLもそうしなければならない。大西洋路線でも経験したことだが、共同事業を始める前にはスターアライアンスやスカイチームとの競合が難しかったが、開始後は競争力が増し、実際にマーケットシェアも増えた。
また、共同事業は顧客にとっても都合の良いもの。柔軟性を持ってスケジュールやネットワークを調整できる。しかも、オーストラリア路線や大西洋路線では、それらをより安価な運賃で提供できるようになっている。
-日本以外を含めて全世界的に、現在の航空業界をどのようにご覧になっていますか
ウォルシュ 航空業界で32年間働いていて、多くの航空会社が参入し去っていったが、競合は現在は今までになかったほど厳しくなっている。そのような中で生き延びて、しかも成功していくために、まずコスト効率が高くなければならない。
次に、変化し改善していく態度がなければならない。過去の栄光に頼っていては、将来的な成長は望めない。常に革新、改善を続けていかなければお客様は競争相手を選ぶだろう。過去の遺産や伝統は重要だ。しかし、過去を振り返るのは過去において物事がどのように変化してきたかを見るためだ。
なお、BAは特に長距離路線を主力とする航空会社であり、長距離路線ではプレミアムクラスの需要が高い。45%の収益はプレミアム顧客から。もちろんそれが唯一の焦点というわけではないが、やはり長距離路線についてはプレミアムマーケットを非常に重要視している。
-ロンドン・オリンピックまで1年ですが、メッセージをお聞かせください
ウォルシュ まず、BAはロンドンに直行便を飛ばしており、優れたサービスを提供している。そしてヒースロー空港のターミナル5は、欧州で一番とは言わないが、英国で最も優れたターミナルだ。ターミナルの設備などもこの国で最高のもの。残り1年未満となったが、オリンピックを観にいらっしゃるすべてのお客様を歓迎したい。
-ありがとうございました