トップインタビュー:BA持株会社CEOのウィリー・ウォルシュ氏
羽田線は「楽観視」
JLとの関係強化が最重要課題
ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)とイベリア航空(IB)の持株会社であるインターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)。IAGチーフエグゼクティブのウィリー・ウォルシュ氏が、このほど日本からのメディアの取材に応じた。全日空(NH)とルフトハンザ・ドイツ航空(LH)など他社との競争など熾烈さを増す日欧間市場の中で、欧州系の航空会社としては唯一の自社運航である羽田路線の現状、最重要課題と語る日本航空(JL)との共同事業、そして日本市場の位置づけについて聞いた。(取材:本誌編集長 松本裕一)
-羽田/ロンドン線の現状についてお教えください
ウィリー・ウォルシュ氏(以下、敬称略) 2月20日に就航した後、震災によって4月と5月は運休したが、5月末に運航を再開した。現在のところ、同路線のパフォーマンスは非常に良い。震災によるダメージはあり、日本/英国間の旅客需要も減少したのは確かだが、需要の戻りは急速だ。我々の想定通りの好調さで推移しており、今後も成功するであろうと楽観的な見方をしている。
羽田を出発する時間はとても早いが、ロンドンには午前中に到着できる。乗り継ぎの利便性も高く、路線開設時には以遠需要が強いのではないかと思っていたが、ほとんどの乗客はロンドンを目的地としている。顧客層としては、ビジネス、レジャー両面でうまくいっていると思う。
-成田空港との棲み分けはどのようにお考えでしょうか
ウォルシュ いずれの空港もとても優れていると思う。私はいつも成田空港を使っているが、成田エクスプレスを使い、東京駅近くのホテルに宿泊しているので、私にとっては成田空港は非常に便利だ。
一方で、羽田空港は、再国際化が果たされる前から個人的にも何度も利用しているが、素晴らしい空港だ。東京でビジネスをしていたり、住んでいたりすれば羽田空港が便利だろう。我々は、羽田空港が国際線に再び開かれることを待ち望んでいた。今回の再国際化が将来的な成長につながるチャンスであると考え、いち早く就航を表明した。
BAにとっては両方とも非常にうまく機能しており、需要も十分に見込めるため今後も両空港に飛び続けていく考えだ。