シャングリ・ラ、上半期の日本人宿泊客11%増、出張需要好調で
シャングリ・ラ・ホテルズ&リゾーツは9月1日、東京でセールスミッションを開催した。これに合わせて来日した同社セールス&マーケティング副社長のペギー・アンヘレス氏は「震災にもかかわらず、日本人宿泊者数は伸びている」と、日本市場の好調さをアピール。特にビジネス需要の増加が牽引しており、2011年通年でも前年比15%増になる見込みだという。
同氏によると、1月から6月の日本人宿泊者数は11%増と増加しており、なかでもビジネス需要が好調。現在のところビジネス需要は日本市場の55%を占め、レジャーは30%、ミーティングやインセンティブなどMICEが15%という。3月11日に発生した東日本大震災の直後は全体的に需要が落ち込んだが、ビジネス需要の回復は早く、アンヘレス氏によると「5月には通常に戻った」といい、7月、8月も増加し続けているという。
ビジネス需要の好調な要因としては、5年前から日本を含む全世界でビジネス需要の取り込みを強化した成果と分析する。レジャーマーケットは自然災害などの外的要因に左右されやすいとの考えから、ビジネス需要拡大に注力した。日本では航空会社やホールセラーに加え、旅行会社の法人営業、ビジネス渡航専門の旅行会社、クレジットカード会社、国際的な企業へのセールスも実施しており、こうした5年間の成果が出たとの考えだ。震災後もFAMツアーの実施し、積極的にセールス活動を展開しており、今後も引き続きビジネス需要の取り込みに注力していく方針だという。
一方、レジャー需要は震災による旅行控えの影響もあり落ち込んでいるが、ゴールデンウィーク以降から徐々に戻り始めたという。アンヘレス氏は、「レジャーは年末までには回復すると手応えを感じている」と述べ、レジャー客はほとんど旅行会社を経由していることから、旅行会社に対し「引き続きサポートしてほしい。回復の結果として、多くのお客様を迎えるのを期待している」と述べた。
また、アンヘルス氏は、今後のホテルの展開として、2014年までに37軒から40軒の新しいホテルを開業する計画を示した。現在、シャングリ・ラは全世界に72のホテルを展開しており、うち中国は36軒。市場全体をみると、中国人のシェアは30%以上で第1の市場であることから、今後も中国での展開を進めていく。また、同時に「今まではシャングリ・ラといえばアジアのイメージが強かったが、他の地域にもオープンしていきたい」との考えから、ロンドンや、トロント、イスタンブールなどアジア以外でもホテルを開業する計画だ。