トップインタビュー:ミキ・ツーリスト代表取締役社長 檀原徹典氏

  • 2011年8月22日

世界を見据えたメッシュ型ビジネスを推進、専門性や提案力、企画力を向上へ

-就任会見では、日本発の「線のビジネス」から、マルチデスティネーション、マルチマーケットを主眼に旅行需要を取り込む「メッシュ型ビジネス」に転換してく方針を発表されました

檀原 現在、大都市中心部のホテルへの日本人グループの送客は少なくなってきている。ホテルの仕入れにおいてバリエーションを維持しながら量を確保するためには、日本市場だけに依存していては難しい。そうしたなかで、まずはアジアからヨーロッパへの送客に力を入れているところだ。

 今後の基本方針は自社開発ではなく、強い地盤を持っている企業との提携。例えば、インドでは現地に強い新興旅行会社のTWXと提携した。これによって、インドからヨーロッパへの旅行者を我々のところで扱えるようになればと考えている。

 将来的には各大陸を制覇したい希望はあるが、まずは足場をきっちりと固める。ただ、一つやってみたいは、ブラジルでオリンピックとワールドカップが開催される前に南米に着手したい。スペイン駐在が長かったため、南米はスペイン語圏で個人的に手がけてみたいデスティネーションだ。

 このほか、新しいデスティネーションとして今年6月にハワイに現地法人を立ち上げた。ハワイは今後、中国、台湾、韓国からの観光客が増えていくだろう。日本市場についても、ハワイでミキは中立的な立場。役に立てることは多いと思う。


-最後に今後の抱負をお聞かせください

檀原 日本市場で45年間ビジネスをやってきたので、社内には日本が中心という意識が強い。しかし、仕入れでも、販売戦略でも、日本だけではもはや成り立たないことを強く認識していかなければならない。全体のなかで日本マーケットをどう位置づけていくかが重要だ。

 また、市場では必ずしも安いものが売れているわけではなく、いろいろな引き出しを持ちながら、お客様に合わせてアセットを出していくことが大切だと思う。基本はやはり、旅行のモチベーションをもっと持たなければいけない。自分が勧められるものがなければ、売れるはずがない。

 その点では、採用についても工夫している。今年からインターンシップ制度をはじめた。夏休みや冬休みに弊社でアルバイトをしてもらって、会社の仕事を経験してもらう。一方で、こちらも学生を見る。

 研修のあとで、ワーキングホリデーを希望する学生には現地で労働できる場所を提供する。半年でも一年でも現地で働いてもらえれば、即戦力になるはずだ。たとえほかの旅行会社に就職したとしてもミキという会社には愛着を持ってもらえると思う。


-ありがとうございました