エアアジアX、関空/クアラルンプール線就航、イン/アウトの需要獲得に意欲
エアアジアX(D7)は11月30日から大阪/クアラルンプール線を週4便で運航する。8月10日に大阪市内で開催した記者会見で発表した。同路線は、エアアジアXにとって10年12月に就航した羽田/クアラルンプール線に次ぐ2便目の日本路線となる。D7の最高責任者アズラン・オスマンラニ氏は、「羽田就航当初は、3年間で3便の日本路線就航を目標に掲げていた。関西国際空港の積極的な誘致活動により、1年を待たずに2便目の就航が実現できた」と話した。
オスマンラニ氏は、「経済・ビジネスで日本第2の規模を持つ大阪は、ビジネスチャンスにあふれた非常に魅力的なマーケット」と位置づけ、さらに「地域のハブ空港である関空の存在により、関西はより多くの顧客を供給する一大市場となるだろう」と、同路線への期待を示した。D7は、同路線の目標搭乗率を、座席供給量377席のうちの約300席に相当する8割とする。内訳は日本マーケット5割、東南アジアマーケット5割。相互に観光・ビジネス客を送り出すことでより多くの顧客を創出し、効率的なビジネススタイルをめざす。なお、D7の羽田/クアラルンプール線の搭乗率は、東日本大震災後に一時落ち込んだものの、8月現在は約86%を維持、内訳は約4割が日本マーケット、約6割が東南アジアマーケットとなっている。
また、D7の羽田線や、全日空(NH)とエアアジア(AK)が出資したエアアジア・ジャパンとの連携について、オスマンラニ氏は「まだ具体的な計画を話せる段階ではない」とした一方、全日空が出資する関西拠点のピーチ・アビエーションおよび他の格安航空会社(LCC)について「競合相手が増えることは今の我々にとって大きなメリットとなる。どのグループに属するかは関係なく、LCCのリージョナルな路線が増えることで、日本到着後に国内またはソウルなどに移動したり、マレーシア到着後も同様に他地域に乗り継いだりと、顧客の選択肢が増える。これは、LCC全体の需要底上げにつながる」と、各社との競合に前向きな姿勢を示した。
なお、関空は、同空港の成長戦略の柱のひとつにLCC誘致を掲げており、すでに5社(ジェットスター航空、ジェットスター・アジア航空、済州航空、エアプサン、セブ・パシフィック航空)の海外資本LCCが就航している。会見では関西国際空港代表取締役副社長の竹内剛志氏が、「D7や、2012年に就航予定のピーチ・アビエーションを迎え、関空はLCC拠点としてさらなる成長を遂げる。24時間空港で、スロット制約が少ない関空は、世界中のLCCにとって理想的。今後も、現在建設中のLCC専用ターミナルを含め、関空の存在価値を高める取り組みを進めていく」と表明した。