日系2社、夏の国際線予約率高く-リゾート、アメリカ、アジア路線が好調
日本航空(JL)と全日空(NH)の2011年夏期(8月12日~21日)の国際線予約状況は、2社合計で供座席数が前年比9.0%減の50万5279席、予約数が10.7%減の44万3143人で、予約率は前年から1.7ポイント下回る87.7%となっている。東日本大震災の影響で旅行の手控えや自粛傾向がありレジャー需要の低迷が懸念されていたが、夏休みの長期化や円高などを追い風に予約が堅調に推移しているようだ。
JLは座席数を22.3%減の28万4314席としぼった。方面別では15.5%増の3万991席だった台湾以外全方面で前年よりも削減しており、グアム、オセアニアは約半減となっている。これに合わせて予約数も23.5%減の25万1673人と減少したが、予約率はオセアニア、中国、台湾以外全方面で90%超えている。
JL広報部によると、「比較的早い段階から予約が入っていた」ことから、節電や企業の長期休暇が決まった段階で申し込む人が多かった可能性を指摘。予約数が35.1%減と低迷した中国路線については、「高速鉄道事故などの影響もあり観光について不安視する傾向があったのではないか」と分析した。
また、国内線は座席数が18.6%減の137万6434席で、予約数は4.3%減の98万8302人、予約率は71.8%だった。国際線と違って、これからの間際予約に期待がかかる。
一方、NHは、国際線で座席数を16.8%増の22万965席と大きく増加。予約数も欧州、中国以外の全方面で2桁増となっている。NH広報室によると、「夏はプレジャー需要の獲得が鍵。夏期旅行商品の造成やエコ割ユースやサマースペシャルといった運賃を積極的に投入した」という。こうした施策が奏功し予約数、予約率ともに好調に推移した。方面別では、北米、アジア、リゾート路線が堅調で、欧州方面は座席数は10%減とした結果、予約率は91.5%と高水準だった。
また、国内線は座席数が3.9%増の197万3187席で、予約数は7.9%増の128万8991人、予約率は65.3%だった。東日本大震災による影響は見られるものの、需要が分散化傾向にあり、全体的には回復基調となった。