JATA、エジプト・チュニジア調査団派遣-「観光は懸念なし」、MS復便要望も
日本旅行業協会(JATA)は8月3日開催された定例会見で、7月17日から24日に派遣したエジプトとチュニジアの安全調査団の帰国報告を実施した。調査団の団長でグローバルユースビューロー代表取締役会長の古木康太郎氏は、「観光で旅行会社がお客様をお連れする分には懸念はないと判断した」と説明。同社としても、2010年12月から中止しているエジプトツアーについて11月から催行を再開する方針を示し、チュニジアについても時期は未定としつつ、再開を前向きに検討する考えを述べた。
調査団は、エジプト訪問中にエジプト航空(MS)側に対し、運休中の日本/エジプト直行便の再開を要望。エジプトのハイシーズンである11月から3月の商品に組み込めるよう、関空発を10月末から、東京発を11月初めから再開してほしいとし、MSに8月15日をめどに就航の有無の決定してほしいと要望。MS側からは時期は未定だが検討するとの返答があったという。古木氏によると、週5便程度で復便する可能性があり、スケジュールも日本夜出発、エジプト朝着への変更を考慮しているようだという。
外務省の海外渡航情報では、エジプトはルクソール・アスワン・アブシンベルが「十分注意してください」、カイロとギザと、同地域の移動区間は「渡航の是非を検討して下さい」となっている。調査団はカイロやギザ、ルクソールを実際に訪問し現地の治安や安全状況を確認。古木氏によると、カイロのタハリール広場も訪問したが、金曜日以外はデモは実施されておらず、広場付近の考古学博物館も通常通り観光可能であったという。
▽大手旅行会社、エジプト旅行の催行分かれる-クラツー、HISはツアー再開
大手旅行会社各社のエジプトツアーの催行状況は、会社により分かれている様子だ。8月3日現在、ジェイティービー(JTB)と近畿日本ツーリスト(KNT)は9月30日まで催行中止。KNTでは、10月以降は航空会社の状況や外務省の渡航情報を参考に催行の可否を検討していく考えだ。日本旅行は8月31日まで催行中止とし、9月以降については8月15日までに決定するとした。阪急交通社も催行を中止しており、下期商品は8月中旬を目処に催行の可否を検討中だ。
一方、エイチ・アイ・エス(HIS)とクラブツーリズムは7月からツアーを再開。HISによると、カイロ市内を訪れるツアーについて、現地のサポートスタッフの数を増やし、安全面に注意しながら催行しているという。