海外パッケージ、6月10%減も回復顕著-夏はアジア中心に好調、7月は4%増
日本旅行業協会(JATA)がこのほど取りまとめた大手旅行会社7社の海外募集型企画旅行の取扱状況によると、4月から6月の実績は、4月が20.8%減、5月は23.3%減、6月は10%減となった。JATAによると、東日本大震災の影響で、熟年層をはじめ旅行自粛の動きが見られ、前年を下回る結果となった。しかし、方面によっては前年を上回る月もあり、6月以降は全方面で急速に回復してきているという。
実績を方面別にみると、前年を上回ったのは、アメリカ・カナダ方面の4月で6.9%増、6月で22.7%増。グアム、サイパン方面でも4月が0.2%増とプラス成長だった。そのほか、アジア方面は6月が前年並みまで回復し、台湾方面は6月が6.6%増となった。タイは昨年は政変の影響で低調だったこともあり、4月が8%増、5月が362.9%増、6月が264.4%増と大きな伸びをみせた。
一方、予約状況をみると、全方面合計で需要の回復が早く、7月第1週の調査時点では7月は4%増、8月は5.2%増と前年を上回った。9月は2.2%減となったが、JATAによると、間際予約が増加傾向にあり、各社とも夏商戦を継続し間際予約の取り込みに注力しており、今後もさらに予約は増加するとの考え。旅行会社からの報告でも「企業の夏休みの決定が遅くなるなど、8月9月の需要はもっと増えてくる」との意見が見られたという。
方面別では、中国を除くアジア方面が特に回復が早く、韓国や台湾など、近距離のデスティネーションが好調だ。韓国は7月が30.2%増、8月が27.2%増、9月が17.5%増で、台湾も7月が30.7%増、8月が44.9%増、9月が22.8%増。また、タイは昨年の反動で3桁以上の伸びとなった。一方、8月を除いたアメリカ・カナダ方面や、ヨーロッパ方面、オセアニア方面は前年を下回っており、旅行会社の報告によると、燃油サーチャージの上昇が長距離が敬遠される要因のひとつとなっているという。
調査は7月第1週に、ジェイティービー(JTB)、近畿日本ツーリスト(KNT)、日本旅行、阪急交通社、エイチ・アイ・エス(HIS)、ジャルパック、ANAセールスの7社に実施。方面別の詳細は下表の通り。
▽JATA海外パッケージツアー実績・予約状況調査結果