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現地レポート:グアム、MICEに変化の兆し-新素材、大型施設も開業へ

  • 2011年7月15日


各ホテルも改装や新サービスを開始

ウェスティンのソムナック。LEDライトで4色のライトアップができる

 団体客を送客する際に、ホテルは重要な要素のひとつだ。団体客へのアピールとなる、リノベーションや新サービスを開始するホテルもある。

 例えば、ウェスティン・リゾート・グアムは今年4月に、3階の宴会フロアを全面改装した。特に220名収容のメイン会場のソムナックは、4000万円を投じてリニューアル。音響と照明にこだわり、LEDライトを使用して照明をパーティの内容に応じて赤、青、黄、緑に変えられるようにした。同ホテルの総支配人は、カリフォルニアに赴任していた時にテーマパーティを手掛けており、そのノウハウを活かした会場の作りとしている。

 また、ホテル・ニッコー・グアムは今年4月から、ビーチでのファイヤーダンスショーを開始。ビーチでのバーベキューとともに、ショーを楽しむことができ、団体の受け入れも対応している。同ホテルでは、全室オーシャンフロントの部屋の作りとなっており、部屋の割り振りがしやすいこともアピールしている。

オンワードの海が見えるバンケットルーム。テラスでバーベキューが可能

 このほか、オンワードビーチリゾートではウイング棟をリニューアルし、7月から利用を開始。4月からはトロリーバスが巡回するようになり、タモン地区のショッピングエリアまでの移動がしやすくなった。また、パシフィック・アイランド・クラブ(PIC)グアムではチームビルディングなどの企画を提案する専属スタッフ「クラブメイト」を配置し、グアムでも最大級のプールを活かしたウォーターオリンピックなどを提案するなど、MICE対応に力を入れている。


航空会社も団体客の送客へ注力

スタディ・ツアーではセミナーのほか、ワークショップも開催

 今回のスタディ・ツアーには、全国の旅行会社のMICEや団体旅行担当者82名が参加。日程中には、航空会社やMICE専門団体のセミナーが開催された。

 ユナイテッド航空(UA)は、コンチネンタル航空(CO)の9月28日からの沖縄/グアム線就航と、10月2日からの仙台/グアム線の再開が発表。国内10都市からグアムに渡航が可能となり、全国からの路線網をアピールした。また10月から成田/グアム線にボーイングB777機を導入する予定で、座席数243席(ビジネス34席、プレミアムエコノミー89席、エコノミー118席)と大型の団体にも対応が可能なる。

MICE総研の奥山氏。「既存の概念を捨てて得意分野を伸ばせ」と講演した

 デルタ航空(DL)は現在、成田/グアム線が1日3便就航。日本航空(JL)および全日空(NH)の成田/札幌線、広島線、福岡線、沖縄線を利用して同日乗り継ぎでの渡航が可能で、日本各地からの大型団体にも対応できることをアピールした。また、グアム国際空港の新ラウンジ「スカイクラブ」はシャワーも設置、40ドルでエコノミーの方でも1日利用ができる。

 また今回、特別講師としてMICE総研統括部長で上席研究員の奥山隆哉氏を招聘し、MICEセミナーを開催。主にMICE初心者を対象に、今後の旅行会社がどのようにMICEで強みを発揮するかをテーマに講演をした。奥山氏は、これまでの旅行会社の概念を思い切って捨てて主催者、参加者、受け地、旅行会社それぞれを理解し、ソリューションを販売していくことがMICEを成功させるポイントとした。

取材協力:グアム政府観光局
取材:本誌 大宗憲知