現地レポート:グアム、MICEに変化の兆し-新素材、大型施設も開業へ
グアムらしさの演出が可能な新素材も誕生
さらにグアムのもう一つ、グアムのMICE促進の追い風となる施設が誕生した。7月1日にオープンした、グアムカルチャー&エコパークだ。チャモロ文化や歴史、自然を楽しみながら学べる体験型のテーマパークで、園内に一歩入ると、500年前のグアムの様子が広がる。その一角、「チャモロカルチャーパークエリア」では、民族衣装をまとったチャモロ人が実際にチャモロ語を話し、当時の生活ぶりを披露。また、「カルチャー体験エリア」ではダンス、料理、言語など、チャモロの文化の体験が可能だ。ホテル・ニッコー・グアムから徒歩5分の位置にあり、ホテルや商業施設の建つタモン地区でありながらグアムらしい雰囲気を気軽に楽しむことができる。
グアムに文化を主題にしたテーマパークが誕生するのは、これが初めて。家族やシニアなど個人旅行者のアトラクションであるのはもちろん、修学旅行や団体の受け入れも対応しており、最大1000人まで収容可能なビーチでは大型イベントやチームビルディング、バーベキューなど、様々な用途での利用が可能だ。ビーチバレー場も併設されており、今回参加した旅行会社の団体担当者は、「ビーチバレーができる施設の問い合わせは多い」と団体客への提案素材として興味深く視察をしていた。
運営するサンドキャッスル副社長/セールス・マーケティングの後藤智幸氏によると、すでに夏から秋にかけて団体客の予約が数本入っており、「1日1000人の来場者を目標としている」と意気込む。今後はビーチウェディングができる施設やトレッキングコースなどを含め、敷地を10万平方メートルまで拡張する予定だ。
今回の参加者はMICEにおけるグアムについて、「時差がない」「近い」「治安が良い」「日本語が通じやすい」「全国9都市から就航している」と利点をあげながらも、近年は韓国などと比較され料金勝負になる傾向があると明かす。こうした中、オープンする新施設は価格に頼らない、新しい提案の切り口としての活用を期待したい。