KNT、米国本土強化で団体増へ、付加価値で勝負-JVUC交流研修会開催
アメリカ旅行委員会(JVUC)が7月7日に開催した会員交流研修会で、近畿日本ツーリスト(KNT)取締役兼執行役員・海外旅行部長の權田昌一氏は米国への送客増に向けて団体の販売を強化したい考えを語った。權田氏は、現状としてKNTの米国本土への送客数が減少傾向にあるとし、その理由として「航空会社の座席減少やイールドコントロール、キャンセルペナルティの厳格化」「旅行者のFIT化、団体の小型化」「販売の難しさ」「観光素材の周知不足」などを列挙。この対策として、KNT内で社員教育に取り組む方針を示し、その上でJVUC会員の観光局やサプライヤーにプロモーション強化を訴えた。
送客数の減少要因のうち、販売の難しさについて權田氏は、FIT化が進む中で団体旅行の場合は流通や美容、IT分野など「フックが必要」になっていると指摘。また、欧州との違いが一般消費者にも周知できていない上、KNT社員にも知識や経験が不足しており、「特段の知識がなくても売れる近場に目を向けやすい」とした。
これに対して、KNTでは欧米を中心に長距離デスティネーションの研修を昨年から実施していると紹介。また、大海外旅行交流コンベンションの継続開催やセミナー、勉強会、FAMツアーの積極参加にも取り組んでいるとした。一方、JVUC会員に対しては、BtoC向けプロモーションとして「州単位、サプライヤー単位ではなく、全米横断的なプロモーション」や「継続的なメディア露出」、BtoB向けには「欧州にない魅力や素材をわかりやすく紹介」「MICEやSIT素材の積極的提案」「旅行会社への販売促進支援」を求めた。
米国本土への送客数増について權田氏は、特に「団体をたくさん売っていきたい」と説明。団体旅行の小型化や事前仕入が困難になる中で、「20人から30人程度の付加価値を付けたSITの団体」の販売を強化したい考えを示した。
なお、会員交流研修会ではJVUC会員とKNT社員が参加。JVUCからは、セミナー形式で「ディズニーランド」「ロサンゼルス」「ニューヨーク」「セドナ」でのMICEの可能性をアピールした。