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中国、観光復興支援の姿勢強調、
訪日ビザ緩和要望も-日中観光交流の集いで

  • 2011年6月1日
(左から)中国国家旅游局局長の邵琪偉氏、国土交通大臣の大畠章宏氏

 国土交通省と中国国家旅游局は5月31日、中国国家旅游局局長の邵琪偉氏を団長とする訪問団の訪日に合わせて、日中観光交流の集いを開催した。邵氏は「中日双方向の観光の協力や発展をしていきたい」と日中間の観光交流の拡大に注力するとともに、「震災の被害が甚大な地域以外へ、中国から日本への団体旅行を復活させる」と、東日本大震災からの観光復興を支援する姿勢を改めて示した。

 同氏は、2008年の四川大地震の例をあげ「震災後、四川省の観光産業は先駆け的な産業として真っ先に復活した」と述べ、観光が震災後の復興に果たす役割を強調。中国人の訪日旅行を促進するため、日本側には「震災の関連情報を速やかに、正確に公表してほしい」と呼びかけた。

中国国家旅游局局長の邵琪偉氏

 また、中国側の取り組みとして、日本への団体旅行の復活の促進、春秋航空(9C)の上海/茨城、高松線定期チャーター便運航の再開や、JTBが中国に設立した合弁会社、交通公社新紀元国際旅行社有限公司に中国人への海外旅行販売を認可したことをあげた。さらに、日本の地方自治体や観光関連業者などが中国各地で日本への訪問を訴える宣伝活動について支援を実施。そのほか、東北を中心とした被災地の青少年100名を海南省に招待するなど、取り組みを続けていく考えだ。

 5月22日に実施された日中韓首脳会談では、3ヶ国間の観光促進により2015年までに人的交流を2600万人に拡大する目標を改めて確認したが、同氏によると、こうした観光促進の取り組みを通し「日中間では延べ800万人以上にする」目標だ。

 その一方で、邵氏は日中間観光交流促進における課題として「中国人旅行者のビザの問題を、さらに柔軟に対応してほしい」と訪日中国人へのビザ発給規制緩和を訴えた。同氏によると、中国人の海外旅行が可能な国は140ヶ国以上あるが「多くの選択肢がある中で、ビザの規制緩和は(旅行先の選択に)有利な条件となる」という。こうした要望を受け、国土交通大臣の大畠章宏氏も「できるかぎりそのような対応がとれるように努力していく」と前向きな姿勢を示した。

 なお、訪問団は中国国家旅游局、中国の20の省、市、区、大手旅行会社38社の100名からなるもの。国土交通副大臣の池口修次氏は「ぜひとも日本の状況をご確認いただき、中国に戻ったら正確な情報を中国国内にお伝えいただければ」と訪問団に訴えた。