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新疆ウイグル自治区、渡航情報引き下げ−旅行会社、需要増に期待

  • 2011年5月16日
 外務省は5月12日、新疆ウイグル自治区の渡航情報を「十分注意して下さい」に引き下げた。新疆ウイグル自治区では2009年7月に各地で暴動が発生し多くの死傷者が出たが、その後治安状況は安定しており、2011年現在、自治区内は平穏な状況が保たれているという。

 同省によると、暴動発生当初使用できなくなっていた通信手段も支障なく使用できるように回復。ウルムチやカシュガルといった都市部では現在も警察当局による徒歩や車両での巡邏が実施されているが、回数は段階的に削減されている。アフガニスタンとの国境付近は、アフガニスタン国内情勢の変化により、治安が不安定になる可能性があるため注意が必要としながらも、新疆ウイグル自治区内は緊張した雰囲気もなく、イスラム教寺院や広場、バザールも多くの人でにぎわっており、こうした状況から渡航情報の引き下げを決定した。

 新疆ウイグル自治区の渡航情報は、2010年5月26日に「渡航の是非を検討して下さい」に引き下げられており、それを受けて阪急交通社やクラブツーリズムは2010年7月からすでにツアーを再開していた。阪急交通社によると、以前ほどではないが需要はあり、今後はウルムチ、トルファンなど、シルクロードとからめた商品を増やしていく予定だ。今回の渡航情報の引き下げにより「需要は期待できるのでは」との考えだ。

 クラブツーリズムも渡航情報の引き下げによる需要増に期待をみせる。今後はツアーの構成の幅を広げた商品造成や、商品数の増加も検討していく考えだ。また、ジャルパックでも今回の引き下げをうけ、商品造成について今後状況を見ながら検討を進めていくという。

 なお、アフガニスタンについては、タリバーンなど反政府武装勢力による駐留外国軍、アフガニスタン治安部隊、政府関係者らへの攻撃が頻発にあり、自爆テロや誘拐事件も多発。アメリカによるウサマ・ビン・ラーディン殺害の影響で現地治安情勢の急激な悪化が懸念されることから、外務省では渡航情報を「退避を勧告します。渡航は延期してください」にしているほか、5月6日付けでスポット情報を発出し、注意喚起を促している。

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