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中国南方航空、国際線ネットワーク拡大へ−乗り継ぎ需要強化はかる

  • 2011年4月26日
 中国南方航空(CZ)は海外市場の拡大をめざし、国際線の強化をはかる。CZ日本支社長兼東京支店長の呉国翔氏は弊誌のインタビューに応え「この先、生き残っていく会社はLCCと多くのハブ空港を持つネットワークキャリア」であるとし、広州と北京をハブ空港に国際線ネットワークの拡大をはかる方針を示した。

 呉氏は国際線を強化する理由として、中国国内で新幹線など飛行機以外の交通手段が発達してきていることをあげ、「今後は国際線を最重視して取り組んでいく」とした。現在CZの収益は中国国内線が7割、国際線が3割だが、5年から10年かけて国際線を拡大していく方針で、5年後には国内線と国際線の比率を5対5にすることをめざす。

 また、呉氏は「直行便と経由便は別の手段。顧客に対し多くの選択肢を与えることで、発展していきたい」とし、乗り継ぎ需要の拡大をはかる姿勢を示した。同氏によると、ヨーロッパ線などの長距離路線の場合、3割が中国人で、残りの7割は日本人をはじめとした外国人の乗り継ぎ需要だという。ヨーロッパ/オーストラリア間など長距離路線の場合、経由便を利用し長時間航空機に乗り続ける身体的負担を軽減する顧客も多く、CZがハブ空港とする広州からはオーストラリア線を始めシェムリアップやバングラデシュのダッカなど、他社が就航していないデスティネーションへの便も豊富にあることから、乗り継ぎの需要は十分期待できるという。

 日本市場については中国/日本線が国際線の収入の4分の1を占めており、現在もっとも大きな市場であることから、路線の拡大と需要の掘り起こしに注力していく考え。呉氏によると、CZが日本に就航して約10年が経過したが、その間実績はほぼ黒字で推移しており、潜在需要にも期待できるという。

 その一方、呉氏は日本国内でのCZのブランドの認知度の低さを課題としてあげる。国際航空運送協会(IATA)が2010年に発表した2009年の世界の航空会社旅客輸送量ランキングでCZが第3位となったことも、日本ではあまり知られていないという。今後は引き続き広告展開による認知向上をはかるとともに、乗客に対するサービスを向上することでCZのブランドへの理解度を高めていく。

 また、日本市場では直販の比率を高める考え。現在流通シェアは、旅行会社経由が9割で、ウェブサイトやコールセンターでの直販が1割だが、今後は段階を踏みながら直販の割合を3割まで引き上げたい考えだ。呉氏は旅行会社に対しては「旅行会社の価値は、商品をいかに加工してお客様に提供するか」とし、需要喚起のため魅力的な旅行商品を造成し顧客に提供してほしいと訴えた。


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