東日本大震災、欧州系航空会社が影響報告、3月運航実績で
東日本大震災の発生後、日本発着の国際線について需要の減少や運航スケジュールの混乱が続いたが、欧州系航空会社各社がこれまでに発表した3月の運航実績でもその影響が現れている。
ルフトハンザ・ドイツ航空(LH)グループでは、オーストリア航空(OS)の大陸間路線で、需要を表す有償旅客キロ(RPK)が前年比8.9%減となり、座席供給量を表す有効座席キロ(ASK)を3.9%増としていたため、ロードファクターは10.3ポイント減の73.0%に低下。旅客数も7.4%減の12万5000人となった。OSはこの結果について、発表文の中で日本の地震が影響したと明示。
また、スイス・インターナショナル・エアラインズ(LX)も、全体のロードファクターが4.0ポイント減の77.2%となったのは「北アフリカの政情不安と日本における不確実性」が原因と説明。LHグループ全体のアジア太平洋路線は、ASKを9.5%増としたのに対してRPKが1.4%減となったため、ロードファクターは8.5ポイント減の77.9%に落ち込んだ。
エールフランス航空(AF)/KLMオランダ航空(KL)も、「日本での惨事の影響は不可避」であったと発表。アジア太平洋路線のASKは6.0%増としていたが、RPKが0.2%減となり、ロードファクターは5.2ポイント減の83.3%となった。旅客数は1.0%減の47万5000人。1月からの累計では、RPKは4.0%増、ロードファクターは0.2ポイント増、旅客数は3.5%増となっており、3月の落ち込みが如実に現れている。
AF/KLによると、日本以外のアジアやラテンアメリカ、カリブ、インド洋路線は好調であったものの、中東やアフリカの混乱と日本の地震の影響を相殺することはできなかったという。
また、欧州/アジア間をヘルシンキでつなぐ戦略で成長してきたフィンエアー(AY)では、アジア路線だけでなく欧州のフィーダー路線にも影響。アジア路線はASKを19.2%増と大幅に拡大したため、旅客数は1.7%増の11万6100人、RPKも2.5%増とプラス成長は維持したが、ロードファクターは12.2ポイント減の74.5%に減少。欧州路線はASKが11.4%増、旅客数が前年並みの31万2500人、RPKが1.3%減となり、ロードファクターは8.0ポイント減の62.1%となった。
このほか、北米系航空会社も直接言及はしていないものの、太平洋路線でのロードファクターの減少が目立つ。方面別の実績を公表している会社では、デルタ航空が13.2ポイント減の73.9%、ユナイテッド航空(UA)とコンチネンタル航空(CO)が合算で6.9ポイント減の79.0%、エア・カナダ(AC)が6.8ポイント減の83.3%となっている。ただし、北米系各社は地理的に、あるいは路線の関係上、日本以遠のアジア需要も見込みやすいため、欧州系とは状況が異なる可能性もある。
なお、各社の中には今後について明るい見通しを示す会社もあり、例えばOSは第2四半期には「需要の増加を見込んでいる」ほか、AF/KLも、夏期の予約状況は件数、収益ともに好調を維持しているという。
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エールフランス航空(AF)/KLMオランダ航空(KL)も、「日本での惨事の影響は不可避」であったと発表。アジア太平洋路線のASKは6.0%増としていたが、RPKが0.2%減となり、ロードファクターは5.2ポイント減の83.3%となった。旅客数は1.0%減の47万5000人。1月からの累計では、RPKは4.0%増、ロードファクターは0.2ポイント増、旅客数は3.5%増となっており、3月の落ち込みが如実に現れている。
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なお、各社の中には今後について明るい見通しを示す会社もあり、例えばOSは第2四半期には「需要の増加を見込んでいる」ほか、AF/KLも、夏期の予約状況は件数、収益ともに好調を維持しているという。
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