スターウッド、ホテルグループ社長が来日−日本市場を確認、重要性を強調

  • 2011年4月6日
 スターウッドホテル&リゾートワールドワイドのホテルグループ社長であるマシューE.アヴリル氏が来日し、日本市場の重要性を改めて示した。今回の来日は、被災者へのお見舞いの意と、この状況下で業務に従事するスタッフへの感謝を伝えるのが目的。また、震災の影響を受けたホテルもあり、状況を自身の目で確認して、今後の対策に繋げるとしている。

 傘下の国内ホテル14軒のうち、特に営業を休止したウェスティンホテル仙台と、近隣のテーマパークが休園しているシェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテルの2軒の影響が大きい。そのほかも旅行自粛やインバウンドの減少で影響を受けたが、徐々に落ち着いているという。損害の規模は公表していないが今後、収益計画を見直す予定。ただし、現在のところホテルの休業やスタッフの削減の計画はなく、全世界規模では影響はないとしており、進行中の開発計画の変更もないと強調した。

 リカバリーに関しては特に深刻なものとして、原発事故による放射能の影響を懸念。実際に放射能の影響が大きくなくても旅行の手控えや自粛が出ていると指摘する。まずは被災地の復興に伴う建設需要が経済を活性化することに期待。次に電力問題が落ち着くころに消費者心理が上向くといった、小さなステップを経て旅行に行きはじめるようになると予想する。

 現在、スターウッドでは2つのマーケティングプランを実施している。ゲストプログラム「SPG」でのポイントの寄付と、世界規模のセールス強化期間にあわせて全世界の営業担当者がセールス時に日本に触れるという取り組みだ。現在はSPGの寄付を紹介しているといい、昨日までで約300万円(約4万米ドル)が集まった。全世界で日本に焦点を当てた活動の意義は大きいと評価する。

 なお、ウェスティンホテル仙台はライフラインの復旧状況にあわせ再開する予定であり、シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテルでは、ウェディングなどテーマパークに関連しない分野を強化している。また、シェラトンホテル広島は3月28日にオープンしたばかりだが、ビジネスを東京から移動する企業の利用も見られるという。


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